(『天然生活』2020年1月号掲載)
食卓をそっと支える、我が家の定番保存食
味噌床にひと晩漬けた鶏肉の様子をうかがい「うん、よい感じにつかっているわね」と微笑みます。
料理研究家の黒田民子さんは保存食づくりの草分け的存在。ご自宅には、自家製の保存食や調味料が数多く並びます。
「20年ほど前にインターネットで保存食を紹介し始めたのがきっかけなんです。夫に‟君の得意な保存食がいいんじゃないか”と背中を押してもらったんですよ」
食べることが大好きだったという夫と食べ盛りの息子さん2人を育てながら、日々、料理の腕を磨いてきました。
「子どものころから母が保存食をつくっていたことも大きいですね。当時は長く食べられるように保存したり、もたせたりすることがごく当たり前の光景でしたからね」
今回、教えてくださったのは黒田家でもとくに定番の保存食。
鶏肉の味噌漬けはシンプルにグリル焼きでいただきます。絶妙な味加減で、身は味噌のおかげか、しっとりやわらかな焼き上がり。
「続けて数回は漬けられますし、残ったお味噌はお味噌汁にしてくださいね。うま味が凝縮されておいしいんですよ。容器に溜まったお汁もおいしく使えますよ」
「鶏肉の味噌漬け」のつくり方
味噌の効果で肉がしっとりやわらか。
ひと晩漬けるだけで、ごちそうに。
材料(つくりやすい分量)
● 鶏もも肉 | 2枚(約400g) |
● 味噌 | 200g |
● 砂糖 | 大さじ4 |
● みりん | 大さじ2 |
つくり方
1 鶏肉は表面を竹串などでまんべんなく刺し、さらしかガーゼで包む。
2 ボウルに味噌、砂糖、みりんを入れてなめらかになるまで混ぜる。
3 保存容器に2の半量を入れて表面をならし、1を並べる。残りの味噌を上に入れて表面をならし、冷蔵庫でひと晩おく。
※長くおくと身が締まってかたくなるので、漬けてから冷蔵で1日が目安。焼いてからさらに冷蔵で3~4日保存可能。
「鶏肉の味噌漬け」を使って
「味噌漬け鶏肉のソテー」のつくり方
取り出して焼くだけの簡単メニュー。
グリルで表面をパリッと焼き上げて。
材料とつくり方(分量はすべて適量)
鶏肉の味噌漬けは魚焼きグリルかフライパンで焼く。食べやすい大きさに切り分けて器に盛り、サラダ菜とミニトマトを添える。
〈撮影/萬田康文 取材・文/結城 歩〉
黒田民子(くろだ・たみこ)
「All About」ホームメイドクッキングガイドとして手づくり食品のおいしさを紹介。『週刊朝日』で「黒田民子の家つまみでひとやすみ」を連載中。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです