• 仏教の教えをヒントに、自分を見つめてみませんか? 新しい年にも役立つ、日々の心がけを、僧侶で著述家の草薙龍瞬さんに教わりました。今回は、「悩み」や「苦しみ」を手放す方法について伺います。
    (別冊 天然生活『心と体が若返る小さな習慣』より)

    もやもやする気持ちは、言葉でラベリングする

    画像: もやもやする気持ちは、言葉でラベリングする

    自分の心を理解するためには、心の状態を「言葉で確認すること」が効果的です。

    「私はいま疲れている」「緊張している」という具合に、言葉にすると客観的に見られるようになるのです。

    心は捉えにくいものなので、言葉のラベルを用意してもいいでしょう。

    著書『消えない悩みのお片づけ』(ポプラ社)では、「期待」「思い込み」「怒り」「迷い」「妄想」の5つのラベルを使って気持ちを整理しました。

    期待は不満に、思い込みは押しつけにつながりやすく、怒りは人と自分のどちらに向いているかが理解の手がかりになります。

    迷いは自分に確信がもてない状況、妄想は事実と異なる考えごとです。ラベルを貼ると、だんだん自覚ができるようになります。

    気づくことは、苦しみを手放すことのきっかけに

    画像: 気づくことは、苦しみを手放すことのきっかけに

    ブッダは、「人生には苦しみが伴うものだけれど、苦しみには原因があり、取り除くことができる、その方法がある」と説きました。

    その方法の第一歩は、悩みや苦しみに「気づくこと」です。

    悩みに直面すると人は闘おうとしがちですが、人生において、闘って勝てることなどほとんどありません。

    また、悩みを受け入れようとするのも難しいことなので、悩みはただ「ある」とだけ理解しましょう。

    思い込んだり、判断したり、解釈したりせずに、ありのままに理解することを、仏教では「正しい理解」とし、人生の苦悩を説くために最も強力な智慧(ちえ)としています。

    悩みは自覚し、ありのままに理解することで、解決できる課題になります。

    悩みが出たら、体の感覚に意識を向ける

    画像: 悩みが出たら、体の感覚に意識を向ける

    悩みは「心の内側」に生じるものです。悩みにとらわれている自分に気づいたら、悩みからいったん離れるために、「心の外側」にある「体」の感覚に意識を向けましょう。

    深呼吸をして、鼻先を空気が出入りする感覚やおなかが膨らむ・縮む感覚に意識を向けるのは、場所を選ばずにできることです。

    家事をするのもいいのですが、悩みごとを考えながらしないように。「食器を洗っている」「棚をふいている」など、動作に対して前述の「ラベリング」をすると、意識を切り替えられます。

    ラジオ体操、ヨガなどの運動を取り入れるのもおすすめです。

    体の感覚に意識を向けることを何カ月か続けていけば、心がすっきり軽くなるのを感じられるでしょう。

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    別冊天然生活 心と体が若返る小さな習慣 (扶桑社ムック)

    別冊天然生活『心と体が若返る小さな習慣』(扶桑社ムック)

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    <監修/草薙龍瞬 構成・文/石川理恵 イラスト/しまむらひかり>

    草薙龍瞬(くさなぎ・りゅうしゅん)
    宗派に属さず、仏教の本質を伝えている僧侶。興道の里で仏教講座を開催。『反応しない練習』(KADOKAWA)、『大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ』(筑摩書房)、『消えない悩みのお片づけ』(ポプラ社)など累計著書が30万部を超える。日々に役立つ仏教についてブログでも発信。https://genuinedhammaintl.blogspot.com/

    ※記事中の情報は、別冊 天然生活『心と体が若返る小さな習慣』掲載時のものです



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