(『天然生活』2020年4月号掲載)
脇役から主役まで。優等生な「玉子」のおかず
玉子のおかずは、ひとつお弁当に入っているだけで、不思議とホッとする存在です。
「とくに春は、このやわらかな黄色が入っていると、うれしくなりますよね。小さいながらもおなかにきちんとたまってくれるし、味わいも食感もさまざまに変化するから、玉子はいつでも、お弁当のおかずとしては優等生です」
そんながんばり屋のおかずなのに、なぜだかいつも脇役扱い。
「その理由はきっと、手をかけなくても、ちゃんと形になってくれるから。火のとおりも早いし、忙しい朝にはもってこい。だからこそ、がんばりすぎずに、おいしいお弁当をつくるためには、玉子のおかずのバリエーションをいくつか知っておくととても役に立ちますよ」
卵ひとつに野菜をたっぷり混ぜたり、豚肉を巻いて甘辛に焼きつけたり。アイデア次第で、脇役イメージの玉子は、見事な主役に変身。
甘くてよし、しょっぱくてもまたよしの玉子のおかず。さあ、今日はどれを詰めて出かけましょうか。
ちくわの磯辺玉子のつくり方
衣は卵だけ。のり弁との相性はお墨付きです。

材料(4本分)
● 卵 | 1個 |
● ちくわ | 2本 |
● 青のり | 適量 |
● 薄力粉 | 適量 |
● 塩、こしょう | 各少々 |
● 菜種油 | 小さじ2 |
つくり方
1 ちくわはそれぞれ縦半分に切り、薄力粉を両面にまぶす。
2 バットなどに卵を溶きほぐし、塩、こしょうを加えて混ぜる。
3 フライパンに油を熱し、2をよくからめた1を中火で焼く。卵液が乾ききらないうちに青のりをふる。片面が焼きかたまったら裏面も焼いて取り出す。
4 3を再び2にくぐらせ、フライパンに戻し入れる。卵液が残っていたらそれも上からかけ、両面をこんがり焼く。
5 好みでソースをかけ、紅しょうがとともに弁当箱に詰める。
〈料理・スタイリング/枝元なほみ 撮影/川村 隆 取材・文/福山雅美〉
枝元なほみ(えだもと・なほみ)
手に入りやすい食材でつくりやすく、それでいて新鮮なおいしさのあるレシピが好評。主宰する一般社団法人「チームむかご」の活動を通して、農業支援や地域おこしなどの活動を行っている。http://mukago.jp/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです