(『天然生活』2023年5月号掲載)
朝がうまくまわると、一日がうまくいく
愛猫の名はチョビ。麻生さんとは長いつきあいですが、一時期は、麻生さんが介護する養親の部屋で飼っていました。
養親のひとりが他界し、もうひとりも入院してしまったため、再び麻生さんの部屋に戻ってきたのです。
チョビのモーニングコールによって、麻生さんの起床は8時から6時へと、2時間前倒しに。
「8時に起きていたころは、急がないとやることが終わらなくて消化不良気味でした。6時に起こされるおかげで、いまは少し余裕をもって過ごせるのがいいのかなと思っています。朝、大事にしているのは、一日の段取りを組むこと。僕は新島で宿を営んでいたことがあって、朝のうちにしなくちゃいけない準備がいっぱいでね。朝にドタバタしちゃうといいことがないけれど、朝がうまくまわれば、一日が平穏に過ごせたんです」
麻生さんの「朝の時間割」
06:00 猫に起こされる、猫に水をあげる。洗濯機を回す。
06:30 定期的に処方してもらう漢方薬を飲む。お風呂に入り、身支度。
07:15 今日やることをノートに書き出す
07:45 掃除機をかける。洗濯物を干す
08:00 植木に水やり。花びんの水換え
08:30 朝食準備
09:00 朝食。新聞を読んだあと、ごみ袋を折る
10:30 パートナーの林下英治さんが出勤。メール返信、事務仕事、執筆仕事など
06:15|洗濯機を回す
洗濯、掃除、料理など、家事全般は麻生さんの担当。
洗面所でチョビに水をあげたら、その流れで洗濯機を回し、お風呂にお湯をはります。
「節目をつけるのが好き」という麻生さんは、朝晩、入浴して気分をリセットするそうです。
朝が6時起きになってから、やることがたくさんあってもゆっくり向き合えるようになりました。
06:30|漢方薬を飲む
なるべく病院のお世話にはならないよう、養生している麻生さん。
表参道の「eatrip soil」に出張している「杉本漢方薬局」の相談所へ通い、漢方薬の処方を受けているそうです。
「舌や脈などを診てもらって、いまは睡眠の質を上げる、渇きを潤すような漢方薬を処方されています」
お湯に溶いて、毎朝欠かさず飲むことに。
07:45|掃除機をかける
麻生さんが朝にしているのは、手が空いた時間にハンディタイプの掃除機を使ったサッと掃除。
「チョビがごはんのかつおの削り節をまき散らすから、掃除機はこまめにかけています」
そのほか、ホコリがたまってきたなと感じたら、「エムキュー・デュオテックス」のプレミアムモップで水ぶきをしています。
08:00|花の水やりと花びんの水替え
麻生さんの実家の食卓には、いつも花が飾られていました。
植物が好きだった母のことを思いながら、麻生さんも花や緑をたやさずに暮らしています。
ベランダにはいくつもの植木鉢が並び、それらに水やりをして、花びんの水を替えるのも朝の日課です。
花を買いにいけないときは、ベランダから花を摘んで飾ることも。
花屋さんで花を選ぶことも、心を整える時間になっている。
08:30|パンとコーヒーの朝食の準備
コーヒーは、英治さんのお店(ブックカフェ「ヘイデンブックス」)で扱っている「堀口珈琲」の豆を毎朝挽き、ハンドドリップ。
パンは「どこの何」と決めているわけではなく、出かけた先であるものの中から、シンプルな食パン、丸パン、クロワッサンを買っています。
こんがりトーストし、バターとジャムを塗り重ねるのが定番。
09:00|新聞を読み、新聞でごみ袋を折る
養親が購読していたつながりで、新聞を取りつづけている麻生さん。
でも、ニュースはスマホで見ることも多いから、忙しいと新聞が手つかずになりがちでした。
あるとき、新聞紙のごみ袋のつくり方を知って、チョビのトイレの砂をそれで捨てようと思いつき、読んだそばからサッサと折るように。
生ごみを捨てるのにも使っています。
〈撮影/馬場わかな 取材・文/石川理恵〉
麻生要一郎(あそう・よういちろう)
パートナーと愛猫の2人+1匹暮らし。知人にケータリングしていたお弁当が評判となり、雑誌への料理レシピ提供や、食や暮らしのエッセイを執筆するように。著書に『僕の献立 本日もお疲れ様でした』『僕のいたわり飯』(ともに光文社)があるほか、雑誌『ポパイ』、「北欧暮らしの道具店」のWEBなどで連載中。インスタグラム@yoichiro_aso
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです