(『天然生活』2023年5月号掲載)
朝がうまくまわると、一日がうまくいく
「みゃー、みゃー、みゃー」と、だんだん大きくなる愛猫の声で、麻生要一郎さんの朝は始まります。
「お水が飲みたくて、洗面所から呼ぶんです。僕が反応しないとベッドの近くまで起こしにくる。そうなるともう、しょうがないなあって、起きるしかないですよね」
そう話す表情はなんだかうれしそうです。
愛猫の名はチョビ。麻生さんとは長いつきあいですが、一時期は、麻生さんが介護する養親の部屋で飼っていました。
養親のひとりが他界し、もうひとりも入院してしまったため、再び麻生さんの部屋に戻ってきたのです。
チョビのモーニングコールによって、麻生さんの起床は8時から6時へと、2時間前倒しに。
「8時に起きていたころは、急がないとやることが終わらなくて消化不良気味でした。6時に起こされるおかげで、いまは少し余裕をもって過ごせるのがいいのかなと思っています。朝、大事にしているのは、一日の段取りを組むこと。僕は新島で宿を営んでいたことがあって、朝のうちにしなくちゃいけない準備がいっぱいでね。朝にドタバタしちゃうといいことがないけれど、朝がうまくまわれば、一日が平穏に過ごせたんです」
〈撮影/馬場わかな 取材・文/石川理恵〉
麻生要一郎(あそう・よういちろう)
パートナーと愛猫の2人+1匹暮らし。知人にケータリングしていたお弁当が評判となり、雑誌への料理レシピ提供や、食や暮らしのエッセイを執筆するように。著書に『僕の献立 本日もお疲れ様でした』『僕のいたわり飯』(ともに光文社)があるほか、雑誌『ポパイ』、「北欧暮らしの道具店」のWEBなどで連載中。インスタグラム@yoichiro_aso
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです