(『天然生活』2022年8月号掲載)
ものは“用途や配置”を変えてむだなく活用
動きや時間のむだをなくす空間づくりのためには、ものをむだなく活用することも大切。
使わないものが家にたまっていくと、せっかくの空間を生かしきれません。
家具や日用品はなるべくシンプルな定番品を買い、用途や配置を変えて使い続けます。
たとえば以前はおもちゃを入れてリビングに置いていた棚は長男の小学校入学を機にダイニングの近くに移動し、学用品などの置き場所に。
「生活が変化すると便利な配置や使い方も変わってくるので、定期的に見直しや実験が必要なんです」
本多さおりさんの家から学ぶ「空間使い」の3カ条
● 動きのむだをなくす
やる気がおきない家事や習慣は、たいていの場合、動きにむだがあるから。本多家ではひとつでもアクションを少なくすることを考え抜いて、ものの配置を決めている。
● 時間のむだをなくす
探しものをする時間や家族からの「あれどこ?」「あれ取って」を省くため、家族全員が取りやすいことを意識。収納にはラベルを貼るほか、大まかなジャンル分けを。
● 空間を埋めることに捉われない
デッドスペースは敵にあらず。余白をつくっておけば新しいものを買ったときの置き場所にもなるし、気持ちにも余裕ができる。「あいているスペースは宝」と考える。
本多家で大活躍
空間づくりの頼れるアイテム4選
空間づくりの頼れるアイテム 01
キャスター
おもちゃ入れや日用品入れ、ごみ箱など、本多さん宅にはキャスター付きのものが多い。
「いつでもさっと動かせるので掃除が楽です」
空間づくりの頼れるアイテム 02
有孔ボード
壁の好きな場所に付けられる点や、さまざまな種類のものを収納できる懐の深さが魅力。
「子どもの学用品もすっきり収められます」
空間づくりの頼れるアイテム 03
はさめるフック
「家具がなくても必要な場所にピンポイントで置き場所をつくれるのが便利」
浴室ドアの前にも付けてバスマットを乾かすのが習慣。
空間づくりの頼れるアイテム 04
マジックテープ
ダイニングテーブルの脚に貼って電源タップを付けたらコンセントを差すのが格段に楽に。
「小さなモヤモヤの解消に役立ちます」
〈撮影/林 絋輝 取材・文/嶌 陽子〉
本多さおり(ほんだ・さおり)
生活重視・ラク優先の整理収納コンサルタント。夫と2人の息子との家族4人暮らし。現在はオンラインでの収納相談室を定期的に開催するほか、暮らしをラクにまわす工夫を雑誌や書籍などを通じて提案。著書に『私をあたらしくする51のこと』(大和書房)、『暮らしをそのままの自分に寄せて』(主婦の友社)など多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです