(『天然生活』2021年5月号掲載)
毎日のささっと小掃除で無理なくきれいをキープ
整理収納のプロである井田典子さんの自宅は、玄関もリビングもキッチンも、驚くほどすっきり。すべてのものがあるべき場所に収められています。
「置かない、出しっぱなしにしないが基本です。床やテーブル、調理台、洗面台など、あらゆる場所をフラットな状態にしておけば、掃除をするのも楽なんです」
以前は「掃除が大嫌いだった」という井田さん。掃除を敬遠するほど汚れがたまり、ますますおっくうになる......。そんな悪循環を断つために、そしていつでも人を迎えられる家にするために実践しているのが、朝の「小掃除」です。
「汚れが軽いうちに落とす小掃除をルーティンにすれば、がんばって大掃除をする必要がありませんし、1日を気持ちよくスタートできます」
井田さん流の掃除のポイントは、ものがないフラットな状態をつくって、しっかりふくこと。
水まわりは水分を拭うことによりカビやぬめりを防ぐ目的もありますが、井田さんは「ふく」作業に別の効果も感じています。
「ふき掃除をしていると気持ちが落ち着くんです。心の底にたまったものも一緒にふきあげられる気がしますね。だから朝、ひととおりふき掃除をすれば、すがすがしい気持ちで1日を過ごせます」
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鏡、洗面台まわりを手ふきタオルでふき、洗濯機へ

「鏡の下半分は、歯磨きや手洗いの水しぶきが飛んで汚れやすいですが、毎日ふいていればごしごしこすらなくても簡単に落とせます。洗う前の手ふきタオルを使うと楽だし効率的なんです」
鏡の上からほこりを落としながらふき、汚れやすい下部は念入りに。
「鏡の汚れは目立ちやすいもの。毎日の小掃除できれいな状態をキープします」
洗面所の手ふきタオルは、毎朝取り替える。洗濯機に入れる直前に、鏡や洗面台まわりをふきあげるのが井田さんの工夫。

ふいたら洗濯機に入れてスイッチオン。洗濯も8時半までに終わらせる
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洗顔後、セルローススポンジで洗面台の水けをふく

シンクの壁面も水けをふく。うがい用のコップも掛けて掃除しやすくしている
顔を洗ったら、洗面台のシンクや蛇口まわりをセルロースのスポンジでさっとこすって汚れを落とし、水けをふき取る。
「吸水性と速乾性が高いセルロースのスポンジはわが家の水まわりで大活躍。ハンドソープボトルの下に敷いておき、こまめにふけるようにしています。シンクの隅までしっかりふくのがポイントです」

スポンジをハンドソープボトルの下にスタンバイ。取り出す手間が省け、ボトルのぬめり防止にも
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朝食後、食卓をふいた台ふきで、シンク、調理台、コンロまわりをふく

調味料や道具類もすべて収納して、キッチンまわりは常にフラット。隅々までふいて清潔に
朝ごはんが済んだら、まず食器類を洗って棚にしまい、テーブルの上やキッチンまわりをフラットに。
その後、薄手のセルロースふきんでテーブル、シンク、調理台、コンロまわりをふきあげる。
「テーブルもシンクも調理台も何もない状態にすると気持ちがいい。ふき終わったらふきんは熱湯で消毒しておきます」
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毛ばたきでほこりを払い、掃除機とエコモップを1日おきに
マキタのコードレス掃除機とモップ
静電気が起きにくいダチョウの毛ばたき
リビングは毛ばたきで家具や家電のほこりを落とし、1日おきに掃除機かけとモップかけ。
ソファは週1回ほど、洗車用ブラシでほこりをとる。
「テレビやピアノまわりは毎日払えばふき掃除を省略できます。床ふきはワンプッシュで水が出るエムキュー・デュオテックスのモップがとても便利。雑巾がけより手軽できれいになります」
<撮影/山田耕司 取材・文/熊坂麻美>
井田典子(いだ・のりこ)
整理収納アドバイザー。主婦ならではの実践的な整理収納術が好評で、「モノと時間と心の整理」をテーマに全国各地で講演会を開催。『「ガラクタのない家」幸せをつくる整理術』(婦人之友社)など著書多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです