言葉は目には見えないからこそ、かけがえのないもの。料理家の渡辺有子さんに、人生の支えとなった唯一無二の大切な言葉を教えてもらいました。
(『天然生活』2021年1月号掲載)
(『天然生活』2021年1月号掲載)
身近な人からもらう言葉にこそ、励まされる
夫から
まだまだやれることがたくさんある
「5年ほど前のことです。ありがたいことに仕事は順調だったけれど、このままでよいのかなと思ってあれこれ考えていたとき、夫が言ってくれたんです。
『あなたには、まだまだやれることがたくさんあるんじゃない?』って。
その言葉がすごく励みになったし、背中を押してもらえましたね」
夫の存在とこの言葉がなければ、いまの展開はなかったと渡辺さん。
大先輩のスタイリストさんから
あなたは信念があるから大丈夫
また、料理家として走りつづけてきたなかで、幾度となく思い出すという言葉がもうひとつ。
「独立してほどなく、27、28歳のころだったと思います。
常に不安を持ってやっていた時期だったけれど、そんなふうに見ていてもらえたんだという喜びと、このまま進んでいいんだなという安堵と。とても救われた言葉です」
経験や年齢を重ね、自分がかけてもらった言葉を、いまは自分のスタッフや後輩にかける機会も増えたといいます。
「言葉は消えるけれど、ずっと残るもの。相手がどう受け取るかをよく考えるようにしています」
〈撮影/林 紘輝 取材・文/結城歩〉
渡辺有子(わたなべ・ゆうこ)
素材の持ち味を生かしたレシピを提案。暮らしぶりやもの選びのセンスにもファンが多い。東京・代々木上原と西荻窪にショップ「FOOD FOR THOUGHT」をオープン。同名のアトリエでイベントも行う。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです