地震を経て、キッチンの防災対策の大切さを実感
大阪府北部地震の揺れで食器の収納棚が動き、上に置いていた電子レンジもろとも前方に傾いた(怖)、わが家のキッチン。幸い、レンジが床に落ちるまでには至りませんでしたが、「こんなに重いものが動くんだ」と驚くと同時に、キッチンの防災対策の大切さを痛感しました。
さっそく取り組んだ対策の柱は2つ。「モノが動かないようにすること」と、「動いても少ないダメージですむようにすること」です。
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まずは、家具や家電を固定するための耐震グッズを導入。電子レンジと収納棚の足もとに、粘着マットを敷きました。
収納棚は脚をはずして、床との接地面を広くしたうえでマットを敷いています。冷蔵庫には、壁と冷蔵庫をベルトでつなぐ転倒防止器具を取り付けました。
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重心を低くすることも、動きにくくするためには有効な手段です。前述のように棚の脚をはずしたことに加えて、大皿など重さがある食器は、いちばん下の引き出しを定位置にしました。
重ねずに立てて入れることもポイントで、これなら、もし引き出しの中で動いても壊れにくくなります。
しかも、ふだんの出し入れがスムーズになるというおまけつき。さまざまな形の器に対応できるよう、ディッシュスタンドのほか、ファイルボックスやアクリル製の仕切りなど、家にある収納グッズを駆使してスペースを区切っています。
小さめの食器は、冷蔵庫の隣の扉つき造作棚に収納しています。すべり止めシートを敷いた上にお皿を重ねていて、地震でも崩れたり割れたりすることなく無事でした。
いろいろな安全策を講じる一方で、インテリア好きとしてはオープンシェルフの魅力も捨てられないもの。そこで、頭より上には重いものや割れ物は置かないことを徹底。収納には、かごや缶など軽くて見た目がいい入れ物を活用しています。
「いざというとき」を恐れて安全性を求めるだけでは味気ないので、インテリアの楽しみもあきらめません。
こうして、「備え」と「好き」のバランスをうまくとることは、防策対策を続けるための大きなポイントになると思うのです。
Misaさんの防災対策の一部を公開
磁石で貼りつけて固定
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ペーパータオルやマステなど、キッチンでよく使うものは冷蔵庫に強力磁石で貼りつける。
キッチンのストックが災害時の備えに
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ゴミ袋やラップなど、台所用品には災害時に役立つモノがいろいろ。キッチンにまとめてストックしておけば、そのまま災害の備えになる。
重い道具や大きな器は下に収納
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大皿は立てて収納。ファイルボックスなどを活用して倒れ防止。
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IHコンロ下の収納。重い鍋などはいちばん下の引き出しに。
本記事は『安心して在宅避難するためのおうち防災アイデア』(オレンジページ)からの抜粋です
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災害時でもふだんに近い暮らしをするための備えを
整理収納アドバイザーと防災士の資格を取得し、「暮らしになじむ備えの発信」をしているMisaさん(インスタグラムのフォロワー15万人)。この本では、「災害時でもふだんとあまり変わらない暮らしをするための準備」をするために、日々Misaさんが実践していることを、あますところなくご紹介。自宅に備えたい暮らしになじむ「備え」のモノ選びから、日常的に食べ続けたい「備えの食」、在宅避難のために安全に過ごせる部屋づくり、防災意識を高めるためにやっておきたいワークシートまでついた充実の1冊。素敵なインテリアを諦めることなく、安全なわが家づくりに一役買うこと間違いなしです。
〈撮影/安倍まゆみ、Misa〉
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Misa(みさ)
整理収納アドバイザー、防災士。夫と中1、小5の息子、犬1匹と暮らす。大阪府北部地震をきっかけに防災に目覚める。暮らしになじむ備えの情報を発信中。著書に『おしゃれ防災アイデア帖』(山と溪谷社)ほか。
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