(『天然生活』2024年3月号掲載)
じっくり時間をかけながら、お気に入りのキッチンに
築40数年の古民家を、友人である設計士と一緒にリノベーションしたのは5年前のこと。
物件を見つけたのは、さらにその2年前。
じっくり時間をかけながら、理想の住まいを模索していたという柚木さん。
料理の仕事をしているから、やはりキッチンにもかなり思い入れがあったようです。
「その前は、現在料理教室を行っているアトリエが住まいを兼ねていましたが、仕事優先だったので住み心地という点ではいまイチ。この家は何よりも『くつろぎたい!』と思ったので、キッチンも生活感を前面に出すのではなく、リビングやダイニングとのインテリア的なつながりを意識しました」
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印象的なグリーンのタイルは「名古屋モザイク」のもの。「設計をした友人には『この色使うの?』と驚かれましたが、古材に負けない存在感が気に入っています」
印象の強い冷蔵庫や食材類のストックはパントリー内に収め、雑多な道具類も目隠しとなる作業台より下に収納することを心掛けています。
この作業台は、インドネシアの廃材を使った家具づくりをしているブランド「gleam(グリーム)」にオーダーしたもの。
使い込まれた風合いが、空間に心地よい落ち着きを与えています。
また、リビングのソファ側からキッチンを眺めたとき、目に入るものを見栄えのいい鍋や自然素材のかごを並べたオープン棚など、「飾り」や「彩り」の要素があるものに厳選しているのもポイントです。
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見た目もいい鍋類を横一列に
「キッチンを整えなきゃというモチベーションに、一緒に暮らす猫たちの存在も大きいのかもしれません。作業台やワゴンに気ままに上がってくるので、余計なものは極力上に置かない。不思議ですがこちらが整頓しておけば、猫も乱したりしないんですよね」
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古材を使った丸型のスチールワゴンは、ふだんものを置かないフリースペース。場所も用途も自由に活用
〈撮影/星 亘 取材・文/田中のり子〉
柚木さとみ(ゆぎ・さとみ)
料理家・フードコーディネーター。古民家をセルフリノベーションしたアトリエで料理教室「さときっちん」主宰。著書に『女子キャンプごはん』(グラフィック社)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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