“ばあちゃんの野菜”の記憶がよみがえる、さいたま市の「ヨーロッパ野菜」
娘がやっと最近、少しずつ野菜を食べてくれるようになりました。
それまでは何をしようと、どれだけ刻もうとも、混ぜ込もうとも全然食べてくれませんでした。

きのこ、きゅうり、カボチャ、にんじん、ピーマンなどなど少しずつ食べられる野菜が増えてきて、その度に天高く舞い上がりそうになる私がいます。
当たり前に食べていた、ばあちゃんがつくった野菜が美味しかったなぁと大人になってからつくづく思うようになりました。
トマトはトマトの味がして、きゅうりや白菜みたいなクセのない野菜ですら、しっかり味がしていたのです。
子どもの頃は、それを敏感に感じ取って苦手なものもありましたが、にんじんなんて甘味に魅力されて、ボリボリそのままかじって食べていました。
そんな記憶がふとよみがえる野菜に出会いました。埼玉県さいたま市のお仕事で出会った「ヨーロッパ野菜」です。

その名のとおり西洋が原産の野菜で、さいたま市では地元のシェフたちからの要望で栽培を始めたことがきっかけで、とっても美味しいヨーロッパ野菜が手に入るのです。
「これはなんなのか?」と戸惑う見た目。味が想像できない面白さに惹かれたのですが、食べてみたら驚きの美味しさでした。
味が濃くて、なんというか、ちゃんと個性があって美味しいのです。ばあちゃんの野菜の味を思い出しました。
菜の花に似ている見た目の「チーマ・ディ・ラーパ」、カブのような見た目の「コール・ラビ」、あとはブロッコリーのような見た目の野菜は最後まで名前が覚えられず、申し訳ない。
それらの野菜を家でも料理して食べてみました。

「チーマ・ディ・ラーパ」は茹ですぎだと思うくらいクタクタに茹でていいと教えてもらいました。日本だと、お湯に塩入れてサッと茹でるのが青菜の食べ方なのに驚きです。
茎のあたりがドロドロになるくらいが美味しいらしいのです。
茹で上がったところにオリーブオイル、塩、レモン果汁をかけて食べるのが1番美味しくて、ドロっとしたところはソースのような効果を生み出して、なるほどと感動しました。
茹でて、焼いて、そこにオリーブオイル、バルサミコ酢の味付け。
西洋の家庭ではこんなふうに一品をつくると聞いて、簡単でおいしくて、いいこと聞いた! と嬉しくなりました。
いただいて大事にしまっていたオリーブオイルとバルサミコ酢を取り出して早速使い、白ワインと一緒に堪能しました。家にいながら特別な気分も味わえて最高な時間になりました。
ヨーロッパ野菜のおかげで、こっそりパリジェンヌ気分の私です。

白鳥久美子(しらとり・くみこ)
1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。