(『天然生活』2022年4月号掲載)
むくみやすく、食べていないのに太る
“気”が足りない「水太り」タイプ
動くのがおっくうで疲れやすい、体が冷えやすく、むくみやすい。
食べていないのに太ってしまうのがこのタイプ。
体を動かすエネルギー源である「気」が足りない「気虚」が原因で、体の中の水分が滞ります。
脂がもたれることもあって肉類が苦手な人も多く、大して動いていないのに汗が止まらないことも。

おすすめのダイエット方法
このタイプはそもそも体を動かすための体力が足りていないので、まずは体の動力源「気血」をしっかり補い、代謝そのものを上げていくことが大切です。
「足りていないのに太るとは、どういうこと?」と思われるかもしれませんが、レシートばかりで現金が入っていないお財布や、散らかりすぎてものが見つからない部屋をイメージしてください。
つまり余計なものが多すぎて、必要なときに必要なものが取り出せない状態です。
このタイプは消化力が弱いので、余分な水分がネバネバした「痰湿」という不用物に変化してしまいます。
この「痰湿」は体の水分のめぐりをせき止め、代謝のじゃまをします。
ですから、栄養補給と並行して胃腸ケアをしつつ、不用物をためないことを心がけましょう。
なお、このタイプのラッキーなところは「食べながら、やせられる」という点です。
体力がないので、サウナで汗をかくことや、激しい運動などを無理にする必要はありません。
まずはウォーキングやストレッチなど軽い有酸素運動から始めましょう。
ダイエット方法 その1
甘いものより肉・魚を食べる
このタイプは食事がつい「ご褒美」になりがち。
甘いもの・冷たいもの・脂っこいものは胃を弱らせます。
「食欲がない」と菓子パンやケーキなどを食べるのはやめ、肉・魚など栄養のある食材を。

ダイエット方法 その2
料理は加熱したものを
生ものも胃腸を弱め、痰湿の原因になります。
「やせよう」と、食事をサラダや果物だけにするのは逆効果。
野菜や魚は加熱すると消化しやすく、かさも減るので量をしっかり食べられます。

ダイエット方法 その3
気分転換に軽い運動
筋力を養えるほど栄養状態がよいわけではないので、このタイプは動いても疲れて嫌になってしまいがち。
気分転換を兼ねたウォーキングやストレッチなどから始め、まずは体を動かす習慣づけを。

〈監修/瀬戸佳子(源保堂鍼灸院) イラスト/カトウミナエ 構成・文/田中のり子〉
瀬戸佳子(せと・よしこ)
国際中医薬膳師。北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。東京・青山の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で、漢方相談を行いながら東洋医学に基づいた食養生のアドバイスを行う。雑誌やweb、セミナーの講演などでも幅広く活躍。著書に『季節の不調が必ずラク~になる本』(文化出版局)など。
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※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです