(『天然生活』2022年4月号掲載)
「脾」のケアを心がけ、代謝をアップ
カロリーをたくさん摂りがちな「食べすぎ」タイプ、食べていないのに太ってしまう「水太り」タイプ、ストレス全般が体に影響しやすい「ストレス太り」タイプに共通する、代謝アップのために心がけたいことをお話しします。
▼太り方のタイプとダイエット法はこちら
「やせたい」と思うなら、まずは代謝を上げることを心がけましょう。
基礎代謝が高いと多くのカロリーが消費され、結果として太りにくくなり、体温も高く保てるので、血の滞りも予防できます。
代謝アップのためには、東洋医学では「脾(ひ)」(胃腸関係)の調子を整えることを重視します。
「脾」は筋肉とも関係が深く、胃腸が強くなれば筋肉もつきやすくなり、代謝は上がります。
逆に胃腸の調子が弱くなると「痰湿」がたまってむくみやすくなり、代謝も下がってしまいます。
心がけたい習慣 その1
「脾」をケアする食事を積極的に
「脾」のケアには、朝食に味噌汁など、温かいものを食べるのが有効です。
味噌をはじめとした発酵食品は胃腸の調子を整えますし、一日の始まりにきちんとエネルギーが全身にめぐるような状態にしておくと、そのあとの代謝も順調に。
心がけたい習慣 その2
寝る3時間前までに食事を
夕食は寝る3時間前までにすませましょう。
胃に食べ物が残っていると痰湿がたまる原因になり、睡眠にも支障をきたします。
なお、夜寝る前のお菓子は、一番の太る原因になるので厳禁です。
心がけたい習慣 その3
とにかくよく寝る
一番簡単なダイエット方法は「寝ること」。
東洋医学では、各臓器が修復され活動的になる時間帯が決められており、デトックスの臓器「肝」は午前1~3時。
脂の分解に関係する「胆」は午後11時~午前1時。
早寝をすればその分、老廃物の解毒や脂の分解もスムーズになるのです。
〈監修/瀬戸佳子(源保堂鍼灸院) イラスト/カトウミナエ 構成・文/田中のり子〉
瀬戸佳子(せと・よしこ)
国際中医薬膳師。北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。東京・青山の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で、漢方相談を行いながら東洋医学に基づいた食養生のアドバイスを行う。雑誌やweb、セミナーの講演などでも幅広く活躍。著書に『季節の不調が必ずラク~になる本』(文化出版局)など。
https://genpoudou.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです