(『天然生活』2024年4月号掲載)
仕事や睡眠などのバランスを意識して、体と上手につきあう
「春は新しいことを始めたくなる季節。でも天気も気温も不安定で何となくゆらゆら、フラフラしてしまう時季でもありますよね。
昔は春に体調をくずすことも多かったので、最近は気をつけています」
そんな引田かおりさんにとって元気のバロメーターは、「あの人に会いたい」「仕事でこんなことに挑戦したい」と、やりたいことが頭に浮かぶかどうか。
望みが出てこなかったり、「やめておこう」とネガティブな感情が生まれたりしたら、それは不調のサインです。
「さまざまなことに前向きに取り組めるよう、日頃から『バランス』を意識しています。
仕事を入れすぎたり、夜寝るのが遅くなったり、人に会いすぎたりすると体調に影響してしまう。そうならないように調整しています」

春は苦味のある山菜を食べて、冬の間にため込んだものをデトックス
もうひとつ、ここ数年でしみじみと実感しているのは、自分でつくったものを食べることの大切さです。
「コロナ禍をきっかけに外食することが激減し、3食家でつくるようになったら夫婦ともに体調がよくなったんです。いままで食べすぎたり飲みすぎたりしていたんだと気づきましたね」

菜の花はスープにするほか、煮ものやオイル蒸しにしたり。「おいしいから何度も食べたくなります」
“レスキューアイテム”でひどくなる前にケアする

漢方のお茶で花粉症や季節の変わり目の不調をケア
食事以外にも漢方茶や入浴剤を取り入れたり、無理なくできる運動をしたりと、体を整える習慣を日常生活のなかに上手に組み込んでいます。
そのおかげか、体調をくずしがちだった昔と比べて、最近は本当に元気になりました。
「といっても、体力がすごくついたというわけではないんです。
『風邪っぽいときはこれを飲む』『疲れたときはこの方法で』など、ひどくなる前にケアできる、自分なりの“レスキューアイテム”をいろいろ持てるようになったんだと思います」

水仕事で荒れがちな手のケアも。「エオラ」のハンドパックは美容液が染み込んだ手袋タイプ。「夜、ドラマを見ながらはめます」
それでもたまには寝込んでしまうことも。その際の考え方も、以前とは変わったそう。
「どうしてダウンしてしまったんだろうと落ち込むのではなく、体が休息を欲していたからだと捉えられるように。
熱が出ても『いま、体ががんばって毒出しをしているんだな』と考えるようになりました」
年齢とともに、心身ともすこやかに過ごすための工夫と知恵を積み重ねてきた引田さん。
「夕方のお酒がおいしいな」「今日もごはんがおいしかった」。そう思える一日を目指して、自分の体と上手につきあっています。
〈撮影/山田耕司 取材・文/嶌 陽子〉
引田かおり(ひきた・かおり)
2003年より東京・吉祥寺で夫とともに「毎日の暮らしが少しだけ素敵になる」ものを提案する「ギャラリーフェブ」と、パン屋「ダンディゾン」を営む。著書に『たぶん だいじょうぶ』(大和書房)、『「どっちでもいい」をやめてみる』(ポプラ社)など多数。
ブログ「ふたりの光年記」https://hikita-feve.com/diary/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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