同じ敷地内に住む4世帯

Sさん夫妻(本家) 70代
青森生まれの夫・Sさんと福島生まれの妻・Tさんは、結婚後、夫・Sさんの仕事の都合で東京、埼玉、神奈川と引っ越し、次女が生まれた後に現在のマンションを購入。趣味は、ふたり揃ってテニス、麻雀、読書、猫
長女 Mさん 40代
2007年から同マンション内の賃貸物件に住んでおり、2010年に現在の物件を購入。夫婦ともにDIYが大好き。頻繁に模様替えをしていて、昨年はキッチンをリニューアルするなど、現在もリノベが進行中
次女 Kさん 40代
以前は世田谷区の賃貸マンションに住んでいたが、三女の夫が同マンション内に売り物件が出たことを教えてくれて、2021年に購入。猫を飼う前提でリノベーションを行い、現在は念願だった猫との暮らしを満喫している
三女 Yさん 30代
2018年から同マンション内の賃貸物件で暮らしていたが、「猫が住みやすい家にリフォームしたい」との思いから、2019年にリノベ前提で分譲物件を購入。その後、長男が誕生し、現在は3人+猫2匹で暮らす
長女の家
試行錯誤しながらDIYを楽しむ

もとは和室だったスペースをDIYでリビングに。左側が押し入れだった部分で、壁面に棚を設け、上部にはキャットウォークも設置している。ソファの後ろに飾られているのは、知り合いの版画家の作品
三姉妹の中で最初にこのマンションに戻ってきたのが、長女のMさんです。
15年前に、両親が住む隣の棟の、5階の物件を手に入れました。このマンションはエレベーターがないため、階段の上り下りが大変な5階は価格が割安だったそう。
夫のAさんも妻のMさんもDIYが好きなので、セルフリノベ前提で購入しました。

キッチン側の壁面に設置されたオープン棚は、知人から譲り受けたものを、夫のAさんが壁に打ち付けた。本が大量に収納されていて、その背表紙や、飾られている絵や写真を眺めているだけで楽しくなる
「床の張り替えは知り合いの工務店に依頼。壁面の棚は手づくりですし、キッチンとリビングの間仕切りになっているカウンターは知り合いの事務所にあったもの。捨てるというので譲り受けることに。天板が1枚板で5階まで運ぶのは大変だったので、搬入だけプロに任せました」と夫のAさん。
できないことは無理せずプロに頼るのも、セルフリノベの大切なポイントです。
カウンターは両面に収納があり、「譲り受けてよかった」(Mさん)と、かなり重宝しているようです。リビングの隣にあった和室は、自分たちで間仕切り壁を抜いてLDKと一体化。
押し入れを撤去して空間を広げ、2匹の愛猫のために夫のAさんがキャットウォークを設置しました。

広くなったLDKの一角に設けられた、かわいいダイニングスペース。こちらの壁に飾られている猫の絵は、夫のAさんが描いたもの。窓際にはキャットウォークが設けられている
「壁も自分たちで塗りました。DIYはコスト削減というメリットも大きいですが、昔から好きでしたし、試行錯誤しながら徐々に最適解を探していく過程も楽しいです」とMさん。

以前は事務所で使われていたものなので高さがあり、間仕切りとしてもぴったりなカウンター。リビング側には食器などが収納されており、裏側はキッチンのパントリー的に使われている
昨年は、いつもの工務店にお願いしてキッチンを入れ替えたそう。ますます進化している長女の家のリノベーションは、今後も続いていきそうです。
※ 本記事は『relife+ vol.53』(扶桑社)からの抜粋です。
<撮影/山田耕司 取材・文/松浦美紀 取材協力/エントリエ>
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