その1 スタンプ好きをひも解くと、学校生活の思い出へ

「美術教師をしていた叔父から、定年退職のタイミングでスタンプを譲り受けました。先生の仕事道具のスタンプは、大人だけしか使うことができない特別なものとして記憶に刻まれていたので、手にしたときはとても感激しました」
机にあてるとカンカンと音がなるような、少しノスタルジックな硬い木の質感も、懐かしくて好きなのだそう。
その2 最近気になるトライグラムの「TO-MEI HAN®」

フォトポリマー製で、0.35mmの線画の再現までできるから、スタンプの図案がとてもリアル。
「このリアルさがたまらないでしょ? 標本みたいに精巧なんです。別売りのアクリル板に貼って使うんですが、台が透明なので狙い通りの場所に押せますし、スタンプの柄を組み合わせてコラージュするときも、これなら失敗しません。使い終わったら、アクリル板からはがしてケースにまたしまう仕組み。文具展で出合って、即買いでした」
その3 好きな作家とお店のスタンプ

右上は、絵本作家・馬場のぼる、左上はアメリカの絵本作家・エド・エンバリー氏、手前は、老舗のはんこ屋「田丸印房」の見返り美人のゴム印。
「大正元年に創業した京都の『田丸印房』さんのお店には面白いはんこがたくさん並んでいて、とても楽しいですよ。京都に行ったときは、ぜひ覗いてみてください」
その4 倉敷意匠計画の「カキノジンの本が好き判子(本棚蔵書票)」

石のハンコ作家として活動するカキノジンさんがつくるゴム印。
「実家にある父の本には蔵書印が押されていて、それを、わが家の書棚でもやりたいな、と購入した蔵書スタンプ。楕円の囲み内に名前の三文判を押して使う仕様です」
その5 編集心をくすぐる仕事モードのスタンプ。カプセルトイのスタンプ玩具も

「左は宅配の梱包や郵送時など『実用的に使えるかな』と思い、購入したゴム印です。右の薄い板のゴム印はカプセルトイのスタンプ玩具で、『校了』などの編集用語の言葉に気持ちを持っていかれ、3回カプセルトイを回して手に入れたもの。まだ出番はないけれど、レトロっぽい見た目も気に入っています」
その6 思い出の「ハロー キティ」のスタンプ

「小さいときに、たしか上野にあるデパートで買ってもらいました。レトロなキティちゃんのデザインが、いまでも気に入っています。相当押していますが、まだ押せるのにもびっくり」
▼“文房具好き”編集者の偏愛コレクション
<撮影/星 亘>