氷砂糖のシロップで、フルーツの味がぐっと濃厚に

「フルーツポンチ」と聞くと思い出すのは、子どもの頃のちょっと特別なおやつ。何種類かのフルーツと白玉をシロップ漬けにして、サイダーを注いで食べた思い出がある方も多いのでは。
近頃はフルーツパーラーやパティスリーで、びん詰めの色鮮やかなフルーツポンチを目にすることも多くなりました。
「わが家では、子どもの運動会の定番がフルーツポンチでした。大きなびん3個分くらい仕込み、子どもの友だちにもふるまって大好評でしたね」と語る野口さん。
フルーツポンチづくりに活躍するのが氷砂糖。水と一緒に火にかければ、透明ですっきりとした味のシロップが即でき上がり。味も色もクリアで、フルーツの風味を引き立ててくれます。
「フルーツの甘味が薄いときや酸味が強いときにも、氷砂糖のシロップが味を補い、いっそうおいしくしてくれる。氷砂糖は、頼れる味方なんです」
氷砂糖を使った
フルーツポンチのつくり方

カラフルなフルーツを透明な氷砂糖シロップに漬けたフルーツポンチ。眺めているだけでも、幸せな気持ちになれます。
そのまま食べるのはもちろん、アイスクリームに添えてデザートにしたり、朝食のヨーグルトやグラノーラにかけたり、炭酸水で割ってドリンクにしたりと、楽しみ方も自由。
季節を問わずつくりやすいのもうれしいポイントです。
「春はいちごやラズベリーなどのベリー類、真夏にはすいかやマンゴーがおすすめ。冬になったら柑橘類を数種入れるのもいいですよ。好みの組み合わせで大丈夫ですが、フルーツ同士の相乗効果でおいしくなるので、最低3種類は使ってほしいですね」
いちばんおいしいのは、漬けてひと晩おいてなじんだ頃。時間の経過とともにフルーツがすこしやわらかくなるので、冷蔵庫で保存して早めに食べきるのがおすすめです。
材料(つくりやすい分量、約1L分)

<フルーツ> | |
● パイナップル | 1/3個分 |
● メロン | 1/8個分 |
● りんご | 1/2個分 |
● キウイ | 1個分 |
● ぶどう(シャインマスカットなど) | 5粒分 |
● ブルーベリー | 15〜20粒 |
<シロップ> | |
● 氷砂糖 | 1カップ(約150g) |
● 水 | 300mL |
● シナモンスティック(半分に折る) | 1本 |
※材料のフルーツは一例です。好みのフルーツ3〜6種(1L分)を組み合わせてお楽しみください。
基本のシロップの分量 1:2(氷砂糖150g:水300mL)
下準備
1 保存びんを煮沸消毒またはアルコール消毒する。
※ホーロー容器、ジッパー付き食品保存袋等を使ってもよい。
2 パイナップル、メロン、りんごは皮をむいて大きめのひと口大に切る。キウイは1cm幅の輪切りにする。ぶどうは縦半分に切り、種があれば取り除く。

つくり方
1 鍋にシロップの材料を入れ、火にかけて軽く混ぜる。氷砂糖が溶けたら火を止め、そのまま冷ます。

2 保存びんにフルーツを入れる。びんの側面にキウイを貼り付けてから、残りのフルーツを彩りよく入れる。びんの上までフルーツを入れたら、1のシナモンスティックをのせる。

野口さんのひと工夫
●シナモンの香りは、数種類のフルーツのまとめ役。シナモン以外にも、クローブ、カルダモン、しょうがなどを使ってもよい。パウダータイプはシロップの液色がにごるので、ホールスパイスがおすすめ。
3 1のシロップを注ぎ入れる。冷蔵庫でひと晩おき、味がなじんでから食べる。
※途中、びんを上下に返し、シロップを全体になじませるとよい。


※保存期間:冷蔵庫で2〜3日保存可能
フルーツポンチを使ったアレンジレシピ①
フルーツサラダのつくり方

甘酸っぱいフルーツと塩味の生ハムは相性抜群。カッテージチーズやルッコラに、たっぷりのフルーツを盛り合わせたサラダは、おもてなしにぴったりのひと品です。
フルーツポンチのフルーツは氷砂糖シロップで甘味を増しながら、食感はフレッシュなまま。複数のフルーツが重なった濃厚な香りが広がります。
材料(4人分)
● フルーツポンチのフルーツ | 1〜2カップ分 |
● 生ハム | 8枚 |
● ルッコラ | 1袋 |
● カッテージチーズ(モッツァレラチーズでも可) | 100g |
● 塩、こしょう | 各適量 |
● オリーブオイル | 適量 |
つくり方
1 フルーツポンチのフルーツは小さめのひと口大に切る。ルッコラはざく切りにする。

2 器に1、生ハム、カッテージチーズを盛り合わせ、塩、こしょうをふり、オリーブオイルを回しかける。
フルーツポンチを使ったアレンジレシピ②
フルーツミックスシェイク アーモンド風味のつくり方

暑い日に飲みたくなる、さわやかなフルーツシェイク。フルーツのやさしい甘さに、氷砂糖シロップに加えたシナモンで香り豊かに。
ミキサーを使うので、少し形がくずれたフルーツを使うのにもおすすめ。
ヘルシーなアーモンドミルクを使うと、ほんのり香ばしさが感じられ、深みのある味わいが生まれます。
※アーモンドミルクがなければ豆乳、牛乳などでもおいしくつくれます。
材料(2人分)
● フルーツポンチのフルーツ | 2カップ分 |
● アーモンドミルク | 100mL |
● ライム(薄切り) | 2枚 |
つくり方
1 ミキサーにフルーツポンチ、アーモンドミルク、お好みで氷(材料外)を入れ、なめらかになるまで撹拌する。

2 グラスに注ぎ、ライムを添える。
野口真紀(のぐち・まき)
料理雑誌の編集者を経て料理研究家に。美しくておしゃれなおつまみから、じんわりおいしい日々のおかずまで、ジャンルを問わずマルチに活躍。2児の子育てを通して生まれた、つくりやすいレシピに定評がある。『ストウブで一肉一菜:2つのメイン食材でここまでおいしい! 組み合わせを楽しむ肉×野菜のコンビレシピ』(誠文堂新光社)など著書多数。
もっと氷砂糖のレシピを知りたい人は
全日本氷糖工業組合 | 旬の果実でおいしく楽しい氷砂糖
氷砂糖でくらしをもっとカラフルに。梅酒づくりでおなじみの氷砂糖は、じつは梅以外の果実とも相性Good。色とりどりのフルーツを使って手づくりを楽しめる氷砂糖の世界、あなたものぞいてみませんか。
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協力/全日本氷糖工業組合
http://www.hyoutou-kumiai.jp/tezukurilife/
〈料理/野口真紀 撮影/林 紘輝 取材・文/河合知子〉
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