四季の移ろいを感じる里山で暮らす、主婦のぬ衣さん。真っ白な空間にアンティーク家具が映える美しい自宅に伺い、家の中で自分らしくいられる場所をつくる工夫を聞きました。家の中の滞りをなくし、風を通すと、自然とよいめぐりが生まれます。
(『天然生活』2024年6月号掲載)
ワクワクと静寂。どちらの自分にもなれる場所が家の中にあります
豊かな自然に恵まれた里山に暮らして十余年。光が差し込む大きな窓からは、四季の移ろいをすぐそばに感じることができます。
夫婦ふたりで穏やかに日々を過ごすぬ衣さんの暮らしには、これまで大切に集め育んできたお気に入りのものがたくさん置かれています。
自分らしい場所づくり01
真っ白な空間で気持ちのいい目覚めを

必要なものだけ、最小限で暮らしたいというぬ衣さん。たっぷり大きなベッドと窓からの光が主役の寝室。
自分らしい場所づくり02
手づくりした自分らしさは少しだけ
昔から手を動かすのは好きだったけれど、あくまでも気が向いたときだけ、無理はしないのがモットー。
最近はイチからつくるのではなく、既製品に少し手を加えて自分好みに仕上げることが多くなったそう。

大きさや風合いの異なる布を縫い合わせた寝室のお手製カーテン。遊び心を感じる無造作な雰囲気が素敵
いかにも手づくりという雰囲気はできるだけ抑え、主張せず、さりげなく空間になじむものをつくって取り入れています。
自分らしい場所づくり03
ひとりの時間を楽しむ場所を持つ

午後は読書か映画鑑賞をして過ごすことが多いそう。今日は小説の気分
アンティークのテーブルと椅子を置いたフリースペースで、ゆったりと過ごすぬ衣さん。
「気分によって本を読んだり、アクセサリーや食器などをディスプレーしたりして楽しんでいます」
いつもの席に腰かけて、好きなものと触れ合って過ごすインプットの時間が、心地よいインスピレーションをもたらしてくれます。
机上のディスプレー

いつでも手に取れるよう、お気に入りの本を飾るように並べている。自由な置き方がぬ衣さん流。
自分らしい場所づくり04
家事はゆっくりと時間をかけて

野菜は洗って水けをきり、冷蔵庫へ。段取りしておけば、食事の支度をゆっくり楽しめる
年齢を重ねると動作がゆっくりになっていく。その自然な変化をポジティブにとらえることで気持ちよく暮らせるようになったそうです。
以前の倍近くの時間をかけて食事の支度をすること。自分のペースで洗いものをして、片づけること。
「あわただしくこなしていたころにはわからなかった、家事に向き合う喜びがあります」
〈撮影/砂原 文 取材・文/片田理恵〉
ぬ衣(ぬい)
専業主婦として家庭を支え、家事と子育て中心の生活を送る。夫の退職を機に里山へ移住し、現在は自然に囲まれた土地で夫婦ふたり暮らし。ファッション、インテリア、建築、古道具をこよなく愛する。お気に入りの家具や器、雑貨、自作のバッグなどを並べたアトリエ「Cava」で、友人たちと過ごす時間を楽しむ日々。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです