(『天然生活』2024年6月号掲載)
試行錯誤を重ねながら自分らしいかたちを探して
東京でフリーランスの編集者として活動しながら、呼吸法の指導を行っていたアマミヤアンナさん。
夫婦で信州・諏訪に移り住んだのは2020年秋のことでした。

「以前から自然の近くで暮らしたいと思っていたんです。長野は気候が肌に合うのと東京にも近くて便利だと思い、最初は県内のほかの地域も検討していました」
諏訪を選んだのは、苦手な湿気が少ない土地だったから、そして何より2匹の飼い猫と一緒に住める家が見つかったから。
それから3年半、アマミヤさんはさまざまな出会いを得ながら、少しずつ新しいことに挑戦しています。

呼吸法の第一人者、加藤俊朗さんの著書、整体や冷えとりの本など、これまで学んだことを土台に呼吸法を指導
そのひとつが下諏訪温泉の旅館「ぎん月」で行っている呼吸リトリートです。
知人の紹介で「ぎん月」の若女将と知り合い、声をかけてもらったのがきっかけで始めました。

呼吸ワークに欠かせない楽器、シンギング・リン。音色や振動が心地よい
リトリートとは、日常から離れた環境に身を置いて心身をいやすこと。
アマミヤさんの主催する1泊2日のプログラムは、呼吸法のレッスンを中心に、ゲストを招いてのワークショップや、温泉や地元の食事を楽しんでもらう内容です。

アマミヤさんが教える呼吸法は「気持ちよく息を吐くこと」で心身をゆるめるもの。坐骨を基点とする姿勢も指導
「宿泊型なので県外から参加してくれる人が多いです。呼吸法を伝える方法はいまも模索中ですが、リトリートは2日続けて体感してもらえるのがいいですね。しかも偶然にも若女将の前職は同じ編集者。ここに来てからいろいろなご縁がつながり、それがかたちになっていくのがありがたいですね」
東京では編集の仕事で忙しくしていたアマミヤさん。移住後は呼吸法にまつわる仕事の比重が増えました。

東京にいたころは編集の仕事で忙しく、デスクワークが中心。並行して呼吸法のレッスンやオンラインストア運営も行っていた
リトリートのほかにも他地域への出張ワークショップやオンライン講座、さらには呼吸のことや日々の暮らしについて話す音声配信も始めています。
「編集の仕事が減って時間の余裕ができた分、これまでやってみたかったけれど時間や勇気がなくてできなかったことを始めています」
<撮影/ミズカイケイコ 取材・文/嶌 陽子>
アマミヤアンナ(あまみや・あんな)
「マーマーマガジン」編集部在籍中に加藤俊朗さんの呼吸法と出合う。加藤メソッドの呼吸法をベースに、整体やアロマテラピーで学んだことを生かし呼吸ワークを行っている。オンラインストア「lightfields8」も運営中。https://kokyulaboratory.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです