• カビに注意が必要なのは、梅雨時期だけだと思っていませんか? 実は秋もカビが好む季節なのです。ナチュラルクリーニング講師・本橋ひろえさんに、靴箱と加湿器の「カビ対策」を教えていただきました。清潔で心地よい空間をキープする秘訣、ご参考ください。
    (『天然生活』2022年12月号掲載)

    靴箱と加湿器のカビ対策

    梅雨時に限らず、本格的な冬になる前の秋雨シーズンもカビに注意が必要です。カビが最も繁殖するのは20℃前後。気温の高い夏はカビは発生しにくいですが、秋はカビが好む環境です。

    カビの除菌は、35%のアルコール水(水110mLに消毒用エタノール90mLが目安)をスプレーして布でふき取るのが基本。

    とくに冬場に気をつけたいのは、靴箱です。玄関は北側にあることが多く、室外との温度差で結露が生じがち。さらにブーツなど湿気のこもりやすい靴を履く機会も増え、湿気が靴箱に充満します。

    ふだんの掃除は、玄関掃除のついでに靴を出して、ほうきや掃除機できれいにすれば十分ですが、湿気が気になるときはアルコール水でふき取ります。除菌掃除は乾いた状態で行うのが鉄則なので、水で濡らした布は使いません。

    また、冬に活躍する加湿器も、カビの温床となるので要注意です。加湿器は便利な反面、構造的に清潔に保つのが難しく、こまめなお手入れが必要になります。タンクの内側がヌルついていたら、雑菌が繁殖している証拠です。

    掃除の目安は2日に1回、すべての部品を取り外して水洗いします。

    次に40℃のお湯3Lに過炭酸ナトリウム大さじ1を溶かしてタンクやトレイに入れ、フィルターは残った過炭酸ナトリウム水につけ置きを。いずれもお湯が冷めたらすすぎます。

    さらに、週1回は、クエン酸水(1%)のつけ置き洗いで、水アカも除去します。

    掃除の最後には必ずアルコール水をスプレーしてしっかりと乾かしてください。加湿器の水を半日に1回取り替えることもカビ対策では大切です。

    画像: 靴箱は35%のアルコールスプレーで除菌。湿気対策でなるべく扉を開けて風を通す

    靴箱は35%のアルコールスプレーで除菌。湿気対策でなるべく扉を開けて風を通す

    わが家では掃除の手間を考えて、小型のパーソナル加湿器を使用。

    家族それぞれが家の中を持ち歩き、デスクやリビングのソファ脇などに置いて使っています。分解も簡単で、寝る前に洗って乾かせばOK。ペットボトルに入れて使うタイプなどもあり便利です。

    画像: 靴箱と加湿器のカビ対策


    〈イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋〉

    本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
    ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)など。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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