• 子どもの成長や環境の変化など、整理の仕組みは暮らしに合わせて変わっていくもの。新しいやり方を試してやめたり取り入れたり、いまの生活にしっくり合う整理整頓法について、インテリアスタイリストみつまともこさんに聞きました。
    (『天然生活』2024年7月号掲載)

    実家の片づけで実感。ものを整理し、身軽に生きる

    「最近、前よりもっと空間に余白をもたせたくなってきました。余白ができると、気持ちにも余裕ができることにも気づいたんです」

    すっきりとしていながら、目を楽しませてくれる飾り棚を前に、みつまともこさんはそう話します。

    画像: 余白をもたせて、好きなものを厳選してゆったり飾って。気持ちにも余裕が生まれるように

    余白をもたせて、好きなものを厳選してゆったり飾って。気持ちにも余裕が生まれるように

    きっかけは一昨年、実家の片づけを手伝ったこと。

    両親が高齢者用の施設に入居したため、それまで暮らしていた家を整理しました。

    「話には聞いていましたが、実際にやってみると、本当に大変でした。来客用の布団や食器など、使わずにしまったままのものもあって。いつか使うと思ってとっておいても、結局こうなるんだなと実感。自分の家も見直して、もっと身軽に生きようと思ったんです」

    それ以来、ものを少しずつ整理するように。

    大量にあった紙ものから始まり、服や食器などを整理し、不要なものは手放しました。

    画像: ここ数年でクローゼットの服が以前の半分近くに。「後悔はなく、とてもすっきり」だそう

    ここ数年でクローゼットの服が以前の半分近くに。「後悔はなく、とてもすっきり」だそう

    なかなか決心がつかない家族の思い出のものは無理に処分しようとせず、いったん“思い出コーナー”に置くことに。

    そうすることで気持ちが満足し、タイミングを見て手放せるようになったといいます。

    「手放すハードルも、前より下がりました。最近は出番がないけれど、昔大好きだったものなどは絶対に手放せないと思い込んでいたけれど、えいっと思い切れるように。“いまの自分に合うもの”を大切にするようになったんです」

    画像: 以前よりすっきりとしたリビングルーム。観葉植物が居心地のいい雰囲気をつくっている

    以前よりすっきりとしたリビングルーム。観葉植物が居心地のいい雰囲気をつくっている

    最近はものよりも体験に。ミニマムな暮らしが理想

    インテリアスタイリストという仕事柄、20〜30代のころはものを多く持っていたみつまさん。

    最近はものよりも、数年前からハマっているK-POPの推し活など、“体験”に時間を使いたいと思うようになりました。

    「ものがたくさんあると片づけに時間をとられてしまいますよね。人生後半をいかに豊かに、快適に過ごすかは、今後の大きなテーマ。そのためにも、ものは少しずつ減らしていきたい。最終的にはミニマムな暮らしが理想です」

    画像: ワイングラスを逆さにしてキャンドル立てにするなど、まずは家にあるもので工夫してみる

    ワイングラスを逆さにしてキャンドル立てにするなど、まずは家にあるもので工夫してみる

    ものの整理はいまも進行中。余白のある、整った住まいには、気持ちのいい空気が流れています。

    「不要なものを整理して、空間にも気持ちにも余白をつくっておく。そうすることで、自分にとって必要なもの、よいものが新たに入ってくる気がしています」



    〈撮影/柳原久子 取材・文/嶌 陽子〉

    みつま・ともこ
    衣食住にまつわる、展示会やショップのディスプレー、雑誌・書籍などでのスタイリング、飾り方などのアイデア提案で活躍中。著書に『小さなスペースではじめる 飾る暮らしの作り方』『暮らしの図鑑 ガラス』(ともに翔泳社)。夫と中学2年生の娘と、愛犬と暮らしている。
    インスタグラム@mitsumatomoko

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.