(『天然生活』2024年7月号掲載)
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
固定費での上手なお金の使い方
毎月出ていく固定費。本当に必要なお金? もっと安くする方法は?
見直しで、大きな節約効果が得られます。

家計の見直しは、「固定費」からが鉄則。
お金を増やすには、収入と支出を把握したうえで、むだな支出をカットするのが原則です。
支出を減らそうと、日々の食費などを削りがちですが、家計の見直しは、額の大きい固定費からするほうが、効果も大きいもの。
定期的に見直すだけで、それなりの金額を継続的に、かつ確実に節約することができます。
〈固定費の内訳〉
● 住居費
● 保険
● 車
● 通信費
● 教育費
● 水道光熱費
● サブスクリプション など
携帯電話は大手キャリアより「格安スマホ」
まず固定費で見直したいのが、スマートフォンの契約です。
大手キャリア(NTTdocomo、au、softbank)は、通信速度が速く実店舗があるのが魅力ですが、料金は高め。月1万円以上かかっているなら、プラン変更や格安スマホへの乗り換えを検討してみて。
料金の目安は端末代金と通信料金の合計で3,000円程度から。対応機種なら端末はそのままで格安SIMに変更する手も。
〈主な格安スマホ〉
● ahamo
● povo
● LINEMO
● UQ mobile
● Y!mobile
● 楽天モバイル

車は週末だけなら「カーシェア」で
首都圏など公共交通手段に恵まれていて、車に乗るのは週末だけというライフスタイルならば、車を所有する必要があるか検討を。
車を持つと、駐車場代、車検代、保険代など維持費もかかります。
カーシェアリングのサービスを使えば、必要なときに必要な分だけ手軽に車を使えます。
車の維持費が不要になる分、貯蓄や余暇に使えるお金の余裕も生まれるはずです。

電気代は大手電力会社より「新電力」
電気は大手電力会社以外に、新電力と呼ばれる業者と契約することが可能。割安な料金プランを提供している場合もあるので、ぜひ一度、比較検討してみてください。
ただし、会社もプランもいろいろなので、次のポイントを参考に暮らしに合ったものを選ぶことが大切。
契約期間に縛りがあるもの、電気料金高騰の影響を受けやすい市場連動型プランなどには注意が必要です。
〈新電力を選ぶポイント〉
● 自分が住んでいる地域が供給エリアか
● ライフスタイルに合った料金プランがあるか
● 料金が燃料価格や市場の影響をどれくらい受けるか
● 自分が希望する支払い方法ができるか
● サービスを長期的に提供できる会社か

住宅ローンは繰り上げより「ゆっくり返済」
超低金利時代が終わり、金利が上昇する動きがあることで、住宅ローンの繰り上げ返済を悩んでいる人もいるでしょう。
繰り上げ返済でトータルの利息を減らせるのはいいのですが、手数料や、借入金が少ないとメリットが少ないことにも注意が必要。
いまはまだあわてるほど金利が急上昇してはいません。余剰資金があるなら、投資に回して金利の上昇分をカバーするという考え方も。

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〈監修/立川健悟 構成・文/工藤千秋 イラスト/祖父江ヒロコ〉
立川健悟(たつがわ・けんご)
ファイナンシャルプランナー。ベンチャー企業の営業時代、「本当にお金が増える考え方」を学ぶ。会社の執行役員就任後、株式上場を機に金融資産が3億円を突破。現在は金融機関に転職し、一生お金に困ることなく、「いま使えるお金を増やす」資産形成をアドバイスする。著書は『お金が増えるのは、どっち?』(三笠書房)など。