伝統継承に黄色信号がともる北国の手仕事を支える、すず竹細工職人・柴田恵さんのすず竹細工づくりを訪ねました。66歳ながら、鳥越のつくり手としては最年少の柴田さん。日々のバランスをとるために、柴田さんにとってすず竹細工は欠かせないそう。
(『天然生活』2024年9月号掲載)
(『天然生活』2024年9月号掲載)
岩手・鳥越の伝統を支える最年少のすず竹細工職人
すず竹細工のつくり手・柴田恵さん。わかっているだけでも、祖父母の代から親族の多くがすず竹細工に携わってきました。
66歳ながら、鳥越のつくり手としては最年少。
子どものころから材料の下ごしらえを手伝い、30代で本格的に竹細工を生業とするようになりました。
きめ細かいていねいな仕事とデザイン性に定評があります。

自宅の一角にある恵さんの工房。多くの時間を過ごすこの場所には、目標とする先人たちの作品が飾られている。母・恵美子さんの遺作・ひと抱えもある苧桶も
柴田さんのすず竹細工づくり
9月初旬から12月半ばにかけて採取するスズタケ。皮をむき、四つ割りにして天日干ししてから室内に。

干したものを水につけ、やわらかくして内側の肉を刃物で削り薄くする。削りカスがたくさん出る。

幅をそろえ、厚さを均一にしたひごを編む。型は使わない。編み目にすき間ができないように詰める。

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〈撮影/在本彌生 取材・文/堀 惠栄子〉
柴田 恵(しばた・めぐみ)
1958年岩手県二戸郡一戸町鳥越生まれ。30代で竹細工職人を志す。1995年から2010年まで、鳥越もみじ交遊舎において竹細工指導を行う。その後も私塾を開いて後身の指導にあたり、年に数回、展示会で作品を発表。2024年5月、自身についての本『かごを編む 鳥越のすず竹細工とともに、柴田恵』(リトルモア)が刊行された。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです