40代以降の肌に訪れる、肌の変化とは?

お話を伺った方
「美肌室ソラ」店主 舘山信子さん
東京・表参道にあるフェイシャルトリートメント専門店。佐伯チズ氏の美肌塾で学んだ経験を生かし、一人ひとりに合ったカスタムメイドオンリーワンの施術を行う。
疲れの蓄積が、肌に現れはじめるタイミング
「私自身、40代の頃は会社員として忙しく働いていたこともあり、日々の疲れが出て肌はボロボロでした。若い頃はちょっとくらい寝ていなくても次の日も元気でいられましたが、歳を重ねていくと、疲れが如実に肌に現れてくるようになります。
肌トラブルが気になり始めたら、まずは自分がどんなことが原因で疲れているのかに気づいて、その原因を取りのぞいてあげることが大切です。睡眠不足は大敵。しっかりと睡眠をとり、体を休息させることが第一歩です」

多忙な会社員時代は、息抜きのためにいろいろなフェイシャルサロンに訪れることが楽しみだったという舘山さん
「また、美肌室ソラに来てくださるお客さんで多いのが、ストレートネックや巻き肩などが原因で体が固まってしまっている方々。デスクワークが多いとどうしても体は凝り固まってしまいます。
体のトラブルは肌と関係ないんじゃない?と思うかもしれませんが、コリと肌トラブルは密接につながっています。肩コリなどがシワやフェイスラインのたるみを引き起こすこともあるので、姿勢を意識してよく動かして、血流をよくしてあげましょう」
シワやたるみなど、歳を重ねてから出てくる悩みは、疲れや体のコリからくるものも多いようです。
変化に気づくために、鏡で自分自身を見つめ直してみましょう

20~30cmくらいの距離に鏡を置くのが理想
「みなさん、毎日鏡で自分の顔を見ていると思いますが、洗面台の鏡で済ませている方が多いのでは? 洗面台の鏡は意外と離れているので、肌の細部までチェックするのは難しいもの。顔の近くに鏡を置いて、じっくりと自分を見る時間をつくってください。意外と産毛などの剃り残しがあったり、小さなシミや細かいシワが見つかったりします。ご自身にあったスキンケアを実践するには、小さな変化に気づくことが重要です」
今日からできる、心地いいスキンケア習慣4つ
透き通るような肌が印象的な舘山さんに、ご自身が実践されている「スキンケア習慣」を教えてもらいました。
1. 朝起きたらコップ1杯の白湯を飲む

「起床直後に常温の水または白湯(40〜50℃の湯)を飲むことで、寝ている間に低下した胃腸の動きを活発にし、消化を助けます。また血流がよくなるとされているので、老廃物が排出されやすくなる効果が期待できます 」

「鉄瓶で湯を沸かしたり、土に鉄分を多く含む急須に湯を入れてから飲むと、鉄分も補給できておすすめです。私は常滑の急須を愛用しています」
2. 化粧水はハンドプレスでしっかり浸透させる

スプレータイプの化粧水を使う場合もしっかりハンドプレスを
「高価なアイテムを使っても、肌に浸透させないと期待していた効果は得られません。また、肌が乾燥するとターンオーバー(肌の細胞が生まれ変わる周期)の乱れを引き起こし、シワやシミ、そしてくすみの原因にもなってしまいます。手のひらで肌に押し込むようにして、肌に浸透させて保湿をしましょう。ほっぺに手が吸いつくくらい、もっちりしてきたら保湿ができた合図です」
3. 日々の姿勢を意識する

「姿勢が悪いと、血行不良が起き、さらにはリンパの流れが滞ってしまうので肌トラブルを招きます。たるみやむくみが気になる人は特に意識してみてください。私が実践しているのは、足を揃えて、膝をくっつけて座ること。内転筋が鍛えられ、自然と姿勢が整います」

「また長時間パソコンやスマホで作業していると、頭と首が前に出てしまいストレートネックになってしまいます。それを防ぐためにも、横から見たときに耳たぶと肩が一直線になるような姿勢を意識してください」
4. 顔の筋肉を動かす

「運動不足で体の筋肉が減っていくように、顔の筋肉も使わないと衰えてしまいます。毎日数分でもいいので、顔の筋肉を意識的に動かすようにすると、表情がより豊かになります。額が動かないように手で押さえ、まばたきを繰り返しましょう。『顔ヨガ』で検索するとさまざまなやり方が紹介されているので、自分にあったものを探して試してみるといいですよ」
〈撮影/星 亘 取材・文/高田真莉絵〉