道具のお手入れ＝きれいに保つことだけではなく、使うことで生まれる質感を楽しみ、育てること。使うほどになじんで風合いが増し、よりいっそう愛着がわく。今回は、日野明子さんに「漆器」の手入れ法を教わりました。
（『天然生活』2024年9月号掲載）
（『天然生活』2024年9月号掲載）
手入れのたびにつやが増す
「漆器」のこと
漆の木の樹液を木地に塗って仕上げる漆器。
木地を丈夫にするだけでなく、独特のつやと質感が生まれる。
また、熱を和らげるため、食事のときに汁ものを手に持つ和食のシーンにも適している。
手入れするたびに、つやが増していく。
漆器でやってはいけないこと
× 冷蔵庫
× 天日干し
× 金属たわし
× 食洗機
× 電子レンジ
漆器のふだんのお手入れ法
１ 使ったあと、油が気にならない場合は、水かぬるま湯で汚れを流す。
２ 油が気になる場合、スポンジに中性洗剤を泡立てて洗い、水かぬるま湯で洗剤をすすぐ。
３ 乾いたふきんで水けをふき取る。すぐにしまわず、しっかり乾かす。
４ 完全に乾いたら、直射日光の当たらないところにしまう。
湿気を状態よく長く使うコツ
しっかりと水けを取り除いたら、乾いたふきんでふく。ふきあげるごとに、つやが増していく。
洗剤を使わない方がつやが出やすい。
〈memo〉
直射日光に当てない
光に弱いため、日差しが入る場所に置かないように気をつけて。食器棚でも一日を通して日が当たらない場所にしまうように。
〈監修／日野明子 取材・文／結城 歩 イラスト／はまだなぎさ〉
日野明子（ひの・あきこ）
ひとり問屋「スタジオ木瓜」代表。松屋商事を経て独立。百貨店やショップとつくり手をつなぐ問屋業をはじめ、日本の手仕事の展示や企画協力に携わる。著書に『うつわの手帖』シリーズ（ラトルズ）のほか、『台所道具を一生ものにする手入れ術』（誠文堂新光社）。道具や器について雑誌や新聞への寄稿も多数ある。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
