• 野菜の栄養価が落ちてきている現代。でも、少しの栄養の知識があれば、ごはんと味噌汁、旬の野菜が基本の、バランスのよい献立がつくれます。「母めし研究所」代表の大久保久江さんと、管理栄養士の則久育葉さんに、栄養バランスのよい昼の献立を教えてもらいました。
    (『天然生活』2020年9月号掲載)

    栄養をしっかり摂れる
    「昼」におすすめの献立

    今回、大久保さんと則久さんが提案してくれた昼におすすめの献立がこちら。

    ・焼き納豆丼
    ・夏野菜の浅漬け
    ・小松菜とわかめの味噌汁

    画像: 栄養をしっかり摂れる 「昼」におすすめの献立

    1人分
    エネルギー 480kcal
    タンパク質 21.9g
    脂質    12.8g
    炭水化物  64.7g
    食物繊維  7.2g
    カルシウム 155.6mg
    鉄     4.6mg
    塩分    2.7g

    こちらの献立から「焼き納豆丼」「夏野菜の浅漬け」のつくり方を紹介します。

    画像1: 栄養士が考える“バランスのいい”かんたん献立「焼き納豆丼」と「夏野菜の浅漬け」のつくり方。タンパク質と野菜たっぷり!/母めし研究所・大久保久江さん

    〈レシピ1〉
    焼き納豆丼のつくり方

    焼くと納豆のにおいがまろやかに。削り節たっぷりがおすすめ。

    材料(2人分)

    ● 納豆大2パック(120g)
    ● 卵2個
    ● かつおの削り節たっぷり(1人分ふたつまみ目安)
    ● ごはん400g
    ● 米油(または植物油)小さじ1/2
    ● しょうゆ適量

    つくり方

     フライパンに米油をひいて中火で熱し、卵を1個ずつ割り入れて目玉焼きをつくり、皿などに取り出す。

     あいたフライパンに、納豆をパックからかたまりのまま入れ、中火で両面にこげ目がつくくらいまで焼く(納豆を広げたり混ぜたりしない)。

     丼にごはんを盛ってをのせ、かつお節を散らし、しょうゆをかける。

    疲労回復によい「豆」のお話
    薬膳の観点から、疲労回復によいのは、年中入手しやすい「米・いも・豆」。

    とくに豆は、「タンパク質」の摂り方を見直す意味でも重要です。

    「近年、タンパク質、なかでも動物性タンパク質の過剰摂取が腎臓病を増加させています。現代の日本人は肉を食べすぎる傾向にあり、1日のタンパク質源の動物性、植物性を半々にするのが理想です」

    * * *

    画像2: 栄養士が考える“バランスのいい”かんたん献立「焼き納豆丼」と「夏野菜の浅漬け」のつくり方。タンパク質と野菜たっぷり!/母めし研究所・大久保久江さん

    〈レシピ2〉
    夏野菜の浅漬けのつくり方

    その日にある夏野菜を塩でもむだけで、みずみずしい副菜に。

    材料とつくり方(つくりやすい分量)

    ズッキーニ、みょうが、きゅうりの薄切り、しょうがのせん切りを、野菜の2%の塩でもんで冷蔵庫に1時間ほどおく。出た水けを軽くしぼる。

    献立に取り入れたい「味噌汁」のお話
    大久保さんの提唱する「母めし」に欠かせないのが味噌汁。

    則久さんは、発酵食品である味噌を体にとり入れる意義はもちろんのこと、「汁もののかたちで野菜を摂る」利点も強調します。

    「野菜は、火をとおすと細胞壁がこわれて栄養素が外に出やすくなり、生よりも、加熱したほうがはるかに体への栄養の吸収率が高いことがわかっています。汁ものは、汁に溶け出たその栄養を丸ごといただけるという意味で、体にとってよい料理法だといえるのです」



    〈料理/大久保久江(母めし研究所) 監修・栄養計算/則久育葉 撮影/萬田康文 スタイリング/竹内万貴 取材・文/保田さえ子〉

    大久保久江(おおくぼ・ひさえ)
    「母めし研究所」代表。勤務先の一畳にも満たない給湯室から社員食堂を立ち上げ、食の世界へ。「母めしで社会を元気に」をスローガンに、普及に努める。

    則久育葉(のりひさ・いくよ)
    香川県在住の管理栄養士。自宅カフェ「いこい茶屋」を拠点に食育活動を展開。大久保久江さんの著書『母めし 季節の献立 一汁三菜』では野菜のコメントを担当。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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