• 「よく眠れない」という悩みを抱えている方は、年齢ではなく“呼吸の乱れ”が原因かもしれません。睡眠時の呼吸が整えば、眠りと体調にうれしい変化が。自身の体験から睡眠と呼吸を研究し、寝具の開発に取り組んだトラタニ株式会社・虎谷生央さんに、医師監修のもと、肥満や生活習慣病と「よい睡眠」との関係について聞きました。
    (『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』より)

    よく眠れなくなると太りやすい体になる?

    睡眠と生活習慣病との関連について、少しずつわかってきました。

    生活習慣病とは日々の生活習慣に起因する病気の総称で、主な病気としては糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などが挙げられます。みなさんも、よくご存じの病気だと思います。

    こうした病気の入り口のひとつといわれているのが、肥満です。ただ、よく眠ることで太りづらい体になることもわかってきました。

    理由は、食欲をコントロールしているホルモンの分泌が安定するためです。

    食欲をコントロールするといわれるホルモンには、食欲をおさえる「レプチン」と食欲を増進させる「グレリン」があります。よく眠れているときは、この2つのホルモンはバランスよく分泌されていますが、眠れなくなるとレプチンの分泌は低下し、グレリンの分泌は上昇します。

    つまり、よく眠ることで空腹を感じづらくなるということです。

    ある研究によると、たった1日の寝不足でもレプチンが低下し、グレリンが上昇することがわかっています。

    アメリカのコロンビア大学の研究によると、睡眠時間が7~8時間の人と比べると、4時間未満の人は肥満になる確率が73%も高まるといいます。

    画像: よく眠れなくなると太りやすい体になる?

    さらに、睡眠不足はこれらのホルモンバランスの乱れだけでなく、インスリンの働きにも悪影響を与えることがわかっています。インスリンは血糖値を調整する重要なホルモンですが、睡眠が不足するとその感受性が低下し、血糖値が上がりやすくなるのです。

    その結果、糖尿病の発症リスクが高まるだけでなく、血管にダメージが蓄積され、動脈硬化高血圧といった他の生活習慣病にもつながっていきます。

    つまり、「よく眠ること」は肥満や生活習慣病を防ぐための、もっとも基本的で効果的なセルフケアだといえるのです。

    本記事は『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(あさ出版)からの抜粋です

    〈 イラスト/ナカミツデザイン 監修/青木晃(内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医)〉

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    『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』|amazon.co.jp

    『健康寿命が“ぐーっ”とのびる! すごい「睡眠呼吸」』(虎谷生央・著 青木晃・監修/あさ出版)

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    “睡眠時の呼吸の質”に光を当てた、健康長寿のための決定版
    眠れない原因は「年齢」や「ストレス」ではなかった――。70年の脳波研究でも解けなかった睡眠障害の真犯人は、“寝具と呼吸”にあった! 本書は、「睡眠中の呼吸の質」が健康寿命を大きく左右することを、著者自身の不眠体験と医師による監修をもとに解き明かした初めての一冊です。
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    虎谷生央(とらたに ・いくお)
    トラタニ株式会社 代表取締役社長。2005年「トラタニ株式会社」を設立。60代後半での自身の不眠や心房細動などの体調不良がきっかけとなり、普段無意識にしている呼吸の中でも、特に「睡眠中の呼吸の質」が健康に大きな影響を与えていることに着目。あらゆる健康法や寝具を試す中で、「寝具の体圧が呼吸を妨げている」という構造的課題を発見。5年に及ぶ独自の試行錯誤と特許出願を経て、世界初の呼吸促進寝具「トラタニ好循環寝具」を開発。現在は「呼吸と睡眠で健康寿命を伸ばす」ことをライフワークとし、商品開発・講演・執筆活動を通じて“呼吸の再発見”を広く社会に発信している。

    青木晃(あおき・あきら)
    内科医・一般社団法人日本抗加齢医学会専門医、一般社団法人日本美容内科学会理事長/一般社団法人日本健康医療学会常任理事、一般社団法人日本ウェルエイジング検定協会理事、一般社団法人日本抗加齢医学会評議員、元順天堂大学大学院加齢制御医学講座准教授。代謝・内分泌内科医として防衛医科大学校、旭川医科大学、自衛隊中央病院などで糖尿病、肥満症の臨床・研究に従事。1995年の地下鉄サリン事件では、当時勤務していた自衛隊中央病院から応援として、多くの患者が搬送された聖路加国際病院に派遣され自衛隊医官として従事。現場において初期治療の的確なアドバイスを指示することで、多くの患者の命を救う。抗加齢医学の第一人者として、雑誌やテレビなどのメディアでも活躍している。著書多数あり。



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