(『天然生活』2024年12月号掲載)
愛用の掃除道具1
エコ洗剤で着物を洗うことで、洗面所もさっぱり

洗い終えた着物を、ていねいに干していく。経年による色褪せや染みをチェックしながら、これで何をつくろうかと考えるのは至福のひととき
古い着物を洗うのは、「海へ…Fukii」で。
「海洋タンカー事故で漏れた大量の油を処理する研究から生まれた洗剤なので、冷たい水でもよく落ちるし、ほんの数滴でいいので経済的。ゴム手袋が苦手なので素手で洗うのですが、手荒れが気にならないのもありがたいです。日常的に着物を洗うので、自然と水まわりもきれいに保てます」

着物をほどく際は、裏地の肩当てや居敷当て(お尻部分)も捨てずに活用

「エコベール」や「ココナツ」など汎用性の高い洗剤を、大容量で購入
愛用の掃除道具2
掃除機やほうきは、手に取りやすい場所に保管

パリ時代から愛用の「ダイソン」と、帰国後の新発見の優れもの「マキタ」

シェーカーのほうきは、使っていて気分が上がるそう
1階のリビング&ダイニングのほこりや糸くずの掃除には、「マキタ」のコードレス掃除機を。
「手に取りやすい場所に置くことで、気になったらさっときれいにできます。2階には夫のアトリエがあり、作業で出る革くずはダイソンで掃除。玄関にはシェーカーのほうきと隅っこ用のミニぼうきが置いてあり、毎朝、掃き清めます」
愛用の掃除道具3
苧麻の着物から出る当て布も捨てず、シルバーカトラリー磨きに生かす

裏地はきれいに洗ってたたみ、かごに入れて保存

来客前、献立に合わせて人数分のカトラリーを用意し、準備の合間に磨いておく
苧麻の着物は裏地も100年前の貴重なものなので慎重にほどいて保存。
「状態がよいものはポジャギ作家の友人に譲り、作品に生かしてもらいます。汚れや染みがひどくて再利用できないものはアンティークのカトラリーのお手入れに。シルバー専用クロスで磨いてから、これで黒ずみをふき取るとピカピカに仕上がります」
〈撮影/竹田俊吾 取材・文/野崎 泉〉
宇佐見紀子(うさみ・のりこ)
バイヤーとして約30年パリで暮らし、2017年に帰国、2022年より京都在住。同年に100年の時を経た日本の苧麻の着物をほどき、フランスの100年前のシルエットの服に仕立て直すブランド「紀[KI]-SIÈCLE」を立ち上げる。京町家を再生したギャラリー&ショップ「A LITTLE PLACE」も運営。
インスタグラム@ki_siecle_
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




