(『天然生活』2024年10月号掲載)
「健康の要は腸にあり」と、おいしい腸活に励みます
家から駅までの途中にある豆腐店。毎朝、出勤途中に立ち寄り、できたての豆乳をゴクリと飲んでから電車に乗るのが日課です。はじまりは「健康」を意識してのことだったかもしれないけれど、「心地よい」のほうがいまは勝って、暮らしの一部になりました。
日々、積極的にとっている発酵食も然り。ぬか漬けを欠かさず食べたり、主食を発酵寝かせ玄米にしたり……。それらは「食べなければ」ではなく「おいしいから」、献立のレギュラーメンバーとなっています。

おかずは多めにつくって、翌日に持ち越すことも。ぬか漬けは旬の野菜を数種類漬ける。卵を毎日1個は食べる。トレーは勤務する「IFUJI」のもの
「いいな」と思うことはとりあえずいろいろと試してみる。その中から自分に合うものだけを選び、無理なく続けていくことが、すこやかさを保つ秘訣のようです。
若いころから冷え性の自覚あり。汗をかきにくく、代謝が悪いのも悩みでした。半身浴や、靴下重ねばきなどいろいろと試してはみたけれど……。「いろいろ試した結果、やっぱり体の内側から整えないといけないと思ったんです」
それがいまから5~6年前。そこから食生活に向き合い直し、冷たい飲み物は控えて白湯中心にしたり、発酵食をたくさん食べるようになりました。どれも、自分の口や暮らしの速度に合い、ずっと続いています。
一番新しい「ルーティン」が朝の豆乳。豆乳には大豆オリゴ糖、タンパク質、大豆イソフラボンの栄養素がバランスよく含まれ、腸内環境を改善する効果があるといわれています。

すこやかさを保つため、積極的に自分の機嫌をとる
「結局のところ、健康の要は腸にあるのでは?と、このごろ思うんです」
よい腸内細菌を増やし、環境をよくしておくことで、便通もよくなり、肌の状態も整い、脳や心にもよい影響が出るといわれています。それには、発酵食品や食物繊維たっぷりの和食はばっちり。
事実、腸活を意識してから、「なんだか調子がいい」と実感しているそうです。
「劇的に若々しくなりたいとかの欲はないんです。ただ、いまの状態を長く続けられれば十分。年を重ねるということは、親も年をとるということ。家族に助けが必要なときに、自分が健康じゃないとダメだなと、あるとき思ったのです」
健康とは単に「病気じゃない」というだけではなく、気持ちにも張りがあるということ。だから「休めるときはちゃんと休む」をモットーにし、気分良く過ごすことも心がけています。
ご機嫌であるために、花を飾り美しい本を読み、心を休めます。そして、だれかの「助けて」に備えているのかもしれません。

〈撮影/林 紘輝 構成・文/鈴木麻子〉
冨澤 緑(とみざわ・みどり)
インテリアショップ、アパレルショップを経て、暮らしまわりの雑貨や道具を扱うショップ「klala(クララ)」を営む。2020年にクローズし、現在は工芸作家・井藤昌志氏の木工ブランド『IFUJI』の東京店・『IFUJI the box tailor(イフジザボックステイラー)』のスタッフ。
インスタグラム:
@midorinocoto
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




