(『天然生活』2025年2月号掲載)
夫婦で家事をシェアしてゆとり時間をもつように
「疲れたな」「面倒くさいな」そんな言葉が口をつくようになったとき、「生活を変えていかなければ」。そう思えるようになったと内田彩仍さんは語ります。
「それまでの自分は『家事が趣味』『自分の時間イコール家事時間』と思って、手をかけて暮らしてきました。夫からも『動いていないと、生きていられないんだよね』とあきれられるほど(笑)」
衣食住のすべてに興味があり、それを自分好みに整えていくことは大好き。けれど疲れやすくなったり、親や家族の用事で忙しくなったり……変化を受け入れて、自分をいたわることを考えるようになりました。

ガーデンテーブルセットは「イケア」のもの。道具を置いたり、お茶を飲んだり、庭の手入れにも大活躍
10年ほど前に経験した、ご両親の病気も変化のきっかけでした。
「夫婦ふたりとも家事ができなければ、どちらかが病気になると、とたんに生活がまわらなくなる。それまで『家事は自分の仕事』と思い込んでいましたが、少しずつ夫に参加してもらうようになり、いまではすっかり頼もしい相棒に。夫婦の大きな意識革命でした」
夫の出勤後から開始していた洗濯などの家事も、起きた直後から前倒し。手伝ってくれることで生まれた時間の余裕は、午後の自分の休息に。そんなふうに生活の時間割も変化していったのです。

最近のリフォームで浴室にバーを2本渡し、浴室乾燥がより快適に
休息をとる以外にも、新たに時間割に加わったことがありました。それは「勉強の時間」や「寝る前の自分のための時間」です。秋に発売された本の仕事がひと段落したあと、内田さんが取り掛かったのは「野菜スペシャリスト」の勉強でした。
「この先の暮らしの質が上がるような学びを、生活に取り入れたいと考えました。コロナ禍もあって、この5年間で外食したのは3~4回程度。それ以外は全部家で食べているので、食べ物の影響は絶大。これから先の人生の支えにもなると思っています」

いままで漠然としていた野菜選びも、学ぶことで明確な基準が身についた
自分の心身をいやすときを時間割に組み込むように
さらには夜寝る前に、ゆっくりのんびり過ごす「自分のための時間」をしっかり確保するように。家事からも仕事からも離れ、心身をいやしいたわる時間です。
「暮らすことが大好きなので、若いころは体力や気力の限り手間をかけてきましたが、肩の力が抜け、気負わなくなったいまの自分も、『いいものだな』と意識が変化しました。以前は休むことに対してどこか罪悪感を覚えていましたが、『休みが必要なんだ』『休むからこそ、新しい挑戦もできるんだ』と思えるようになったのです」

食事も体をいたわるものを。腸内環境を整えてくれる干しいもは常備。おなかの調子がよくなるそう
内田さんが新しい時間割のために見直したこと
● ひとりで抱え込まずに夫と家事を分け合う
● 将来を見据えて、役立つ学びを取り入れる
● 会いたい人には会いに行く、連絡をする
〈撮影/大森今日子 取材・文/田中のり子〉
内田彩仍(うちだ・あやの)
福岡県在住。夫と愛猫・そらと暮らす。ていねいな暮らしぶりやセンスある着こなしが人気を集め、家事や日々の暮らしを紹介する著書多数。好評の新刊『衣食住、暮らしに寄り添うもの選び』(集英社クリエイティブ)では、年を重ねたことによる体調や気持ちの変化、それに合わせたもの選びへの思いを詳細に紹介している。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




