• だれかを支えたり、支えられたり。私たちの毎日は人との“つながり”によって続いていきます。東京から神奈川・藤野地区に家族で移住した「家族と一年商店」店主の中村暁野さん。遠慮や葛藤を乗り越えた先の、人との向き合い方、ご近所のお助けツール「よろづ屋」のお話をお聞きしました。
    (『天然生活』2025年6月号掲載)

    「ごめんね」はいわず、あえて周りの人に甘える

    夫と3人の子どもたちと暮らす神奈川・藤野地区に、8年前に東京から引っ越してきた中村暁野さん。近所の人とふれあう中で、当たり前に助け合うことの大切さを学びました。

    助けられると「申し訳ない」と思ったり、助ける際に「差し出がましいかな」と気になったり。助け合いは、時折そんな遠慮や葛藤も伴います。中村さんや藤野の人々は、そうした思いにどう向き合っているのでしょう。

    「葛藤を脱ぎ捨てて、お互いに頼って頼られるほうが絶対に幸せな社会になるとみんなが思っているんですよね。だから、何かをしてもらっても『ごめんね』はいわない。そうしたことを一人ひとりが意識することで、お互いに甘えやすい関係性をつくろうと努力している気がします」

    人とつながり助け合う喜び
    地域通貨の「よろづ屋」が助け合いツールに

    画像: メーリングリストを定期的にチェック。「『困ったことがあれば、まずよろづ屋に投げてみよう』という習慣ができています」

    メーリングリストを定期的にチェック。「『困ったことがあれば、まずよろづ屋に投げてみよう』という習慣ができています」

    中村さんが暮らす神奈川県の藤野地区には「よろづ屋」という地域通貨があります。

    「加入者同士がメーリングリストで『野菜の苗いりませんか?』『駅まで車で送ってほしい』などとやりとりしながら助け合います。通貨というより、信頼の下に成り立っているコミュニケーションツール。ここを通して仲良くなった人も多いです」

    画像: 子どもの服などもよろづ屋へ

    子どもの服などもよろづ屋へ

    画像: 取引の内容を記録する「よろづ帳」。何かを提供したらプラス、されたらマイナスの数字を記帳。「マイナスになってもOKです」

    取引の内容を記録する「よろづ帳」。何かを提供したらプラス、されたらマイナスの数字を記帳。「マイナスになってもOKです」



    〈撮影/星 亘 取材・文/嶌 陽子〉

    中村暁野(なかむら・あきの)
    都内の生活を経て2017年から神奈川・藤野地区の里山へ移住。夫、15歳の娘、9歳の息子、2歳の娘、犬と暮らす。“家族と暮らし”をテーマに執筆活動を行い、著書『家族カレンダー』(アノニマ・スタジオ)を上梓。雑誌『家族と一年誌 家族』も不定期刊行。サステナブルな商品を扱う「家族と一年商店」を営む。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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