(『天然生活』2025年7月号掲載)
喫茶写真家 川口葉子さん
頭を空っぽにできる、四季を感じる都会の木陰
東京・港区 HARIO CAFE 泉屋博古館東京店(せんおくはくこかんとうきょうてん)
「ガラス張りの店内から、緑豊かな庭園の風景を身近に楽しめます」と喫茶写真家の川口葉子さんが教えてくれたのは、「HARIO CAFE 泉屋博古館東京店」です。
泉屋博古館東京は、旧住友家麻布別邸跡地に建ち、住友コレクションをはじめとした美術品を収蔵展示する美術館。窓の外に見える庭も、庭のしつらいや石灯籠など、当時の佇まいをいまに伝えています。
高層ビルが立ち並ぶ東京・六本木にありながら、落ち着いた雰囲気なのはそのためでしょう。春は桜、初夏は青々とした木々が清々しく避暑地にいるよう。秋は紅葉、日没が早い冬は、ライトアップされた庭を楽しめます。

窓に向いたカウンター席と、奥にはふたりがけのソファ席もある。「雨の日も、しっとりとした落ち着きがあっていいですよ」と川口さん
「春先はウグイス、夏はセミ、秋は鈴虫と、季節ごとに小鳥や虫の鳴き声が聴こえるのも魅力。四季を五感で楽しめる空間です」
サイフォンやドリッパー「V60」などプロにも愛されるコーヒー器具をつくってきた「HARIO」の直営店とあって、使用されるコーヒー器具はすべてHARIOのもの。
安定した味わいの浸漬式ドリップコーヒー、まろやかで香り高いサイフォン式コーヒー、熟練スタッフが最高の豆の味を引き出す透過式ドリップコーヒーと、好みに合わせて淹れ方から選べるのも特徴です。

スタッフがHARIOのコーヒー器具を使ってコーヒーを淹れるところを間近で見ることができる。店内では商品の販売もされていて、使い方など、わからないことや気になることを気軽に聞けるのも直営店ならでは

HARIOのコーヒー器具をデザインしたオリジナルピンバッジ

職人の技術継承のためにつくり始めたガラスのアクセサリーの販売も
「HARIOの世界をダイレクトに楽しめます。コーヒー豆は浅煎りから深煎りまで、日本各地の腕利きのスペシャルティコーヒーロースターから仕入れていて、おいしさは折り紙つきです」
コーヒーに合わせてシンプルな味わいのそろったフードメニューの中で、川口さんのイチオシは、チーズケーキです。
「ほんのり甘い乳製品はコーヒーと相性がいいんですよね。このチーズケーキも、まろやかな甘味と心地よい舌触りが、コーヒーのおいしさを引き立ててくれます」

コーヒーを淹れる主任の中村将人さん。器具のことも詳しく教えてくれる
ほかにも、テリーヌショコラやバゲットホットサンド、土日限定で、日本橋の老舗「赤トンボ」のフルーツサンドも提供。
「したたる緑を眺めながら、コーヒーの香りをゆったり味わってください。窓の外の揺れる緑や木漏れ日を無心に眺めているだけで、落ち着きますよ」
川口さんのおすすめ
ドリップコーヒー

コーヒー豆は、酸味と苦味のバランスがいい店舗限定ブレンド「SEN-OKU HAKUKOKAN BLEND」と、深煎り、浅煎りのほか、季節限定の4種から選べる
チーズケーキ

名古屋の人気ベイクショップ「PINE FIELDS MARKET」から仕入れているチーズケーキ。さくさくしたクッキー生地と濃厚なチーズ感でファンが多い
店舗情報

HARIO CAFE 泉屋博古館東京店
住所:東京都港区六本木1-5-1
電話:03-6441-2040
営業時間:11:00〜18:00
https://hariocafe-lwf.com/
<撮影/山田耕司 取材・文/長谷川未緒>
川口葉子(かわぐち・ようこ)
エッセイスト、ライター、喫茶写真家。雑誌や書籍、新聞などで、カフェ特集やコーヒー特集の監修・執筆多数。これまでに訪れたカフェは1000軒以上。『今日も、東京 古民家カフェ日和 新たな時間の旅42軒』(世界文化社)、『喫茶人かく語りき 言葉で旅する喫茶店』(実業之日本社)など著書多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです




