• 以前より疲れが抜けにくくなった。健康診断の結果も少し気になる。そんな変化を感じても、忙しさのなかであと回しにしていませんか。年々、罹患者が増えているという「慢性腎臓病」は自覚症状が重症化しないと出てこないそう。腎臓専門医・髙取優二さんの書籍『腎臓を強くする 食のトリセツ』から、沈黙の臓器、腎臓の不調をチェックする方法を紹介します。

    腎臓の基礎知識
    腎臓は健康状態をキープする司令塔

    画像: 腎臓の基礎知識 腎臓は健康状態をキープする司令塔

    腎臓は、たんに尿をつくるだけではなく、全身を巡っている血液を常にきれいに保ち、健康状態をキープしている「司令塔」といってよいのです。いいかえれば、腎臓が健康寿命を左右する働きをしているのです。

    〈長生きするために腎臓が大切な3つの働き〉
    ①血液の浄化
    ②血圧のコントロール
    ③血管の若さを保つ

    腎臓は、健康な人でも加齢によって自然と機能低下していく臓器です。年をとればとるほど、機能はしだいに落ちていくのです。

    成人の5人に1人が慢性腎臓病になるのですから、この病気は、文字どおりの国民病であり、誰がかかってもおかしくない身近な病気といってよいでしょう。

    腎臓が悪くなってきたら、いったい、どんなことが体に起こってくるのでしょうか。自覚症状があれば、早めに医者にかかることができるはず、そうお考えになる方もいらっしゃると思います。しかし、残念ながら皆さんのご期待に応えられるような回答を出すことはできません。

    というのも、慢性腎臓病(CKD)という病気は、発症しても最初のうちはほとんど自覚症状の出ない疾患だからです。この病気の特徴として、皆さんにぜひ知っておいていただきたいのは、「初期のうちは、慢性腎臓病には自覚症状が何もない」ということなのです。

    よく肝臓は「沈黙の臓器」だといわれますが、じつは、腎臓もまた、沈黙の臓器なのです。腎臓の組織が一部壊れてしまっても、残った部分が限界まで働きを補ってしまうため、生活に支障が出にくいのです。

    だるさやむくみなどの自覚症状が出るのは、この病気の進行の度合いの指標=ステージでいうG4(人工透析などが必要となる最終ステージG5の手前)くらいから。つまり、かなり重症化してから、ということになります。

    健康を守る方法
    慢性腎臓病は“二重チェック”で確認

    そこで、私が皆さんに提案したいのが二重チェックです。慢性腎臓病では、自覚症状と生活習慣の2つを重ねてチェックしておくことが大事です。

    Step1
    自覚症状チェック

    □ 尿が泡立つ
    □ 尿の色がおかしい(赤かったり、褐色に見える)
    □ 体がむくむ、靴がきつくなる
    □ 夜間頻尿(夜2回以上トイレに起きる)
    □ だるさ、倦怠感
    □ 顔色が悪い
    □ 息切れ
    □ よく足がつる
    □ 皮膚のかゆみ

    自覚症状がすぐ出てくるわけではありませんが、もちろんそれらを知っておいて悪いことはありません。たとえば、「最近疲れが抜けにくい」とか、「なんとなく体調がよくない」といったように、ご自身の体の声に耳を澄ましておくことは腎臓に限らず健康を守っていくうえで、とても大事なことです。

    Step2
    生活習慣チェック

    □ 血圧が高い
    □ 血糖値が高い
    □ 腎機能値が急にガクンと悪くなった
    □ かなり太っている
    □ 加工食品(加工肉など)をよく食べる
    □ コンビニ食をよく食べる
    □ ファストフードをよく食べる
    □ しょっぱい味が好き
    □ 甘い飲み物(清涼飲料水など)が好き
    □ 運動していない
    □ タバコがやめられない

    生活習慣のチェック項目は、いずれも慢性腎臓病の原因ともなるファクターです。慢性腎臓病を悪化させる有力な原因である血圧や血糖値の数値も、必ず定期的に確認しましょう。

    生活習慣のチェックをしてみて思い当たる項目が多いあなたは、慢性腎臓病の危険因子を多く持っているということになります。

    むろん、健康診断を受けて腎機能値(eGFR:推算糸球体ろ過量)と尿検査のデータを地道にちゃんとチェックしておくことも大事です。自覚症状がなかなか出ないところからわかるように、腎臓はつらさを隠して働いてしまう頑張り屋。そんな働き者の腎臓が私たちの生命活動を支え続けています。

    本記事は『100歳まで元気!腎臓を強くする食のトリセツ』(髙取優二・著/扶桑社・刊)からの抜粋です。

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    『がんばらない まいにちのリセット習慣』

    『100歳まで元気!腎臓を強くする食のトリセツ』(髙取優二・著/扶桑社・刊)

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    「腎臓は食事による影響をとても受けやすい臓器。その食事が腎臓を傷めつけている…」

    慢性腎臓病は推定患者数2000万人、成人の5人に1人が抱える「国民病」。 しかし、多くの場合、初期は自覚症状がないままに進行していきます。 気づいたときは腎機能低下、その後の人生は病気のことしか考えられなくなってしまう…そういうことはぜひ避けたいもの。

    本書は、腎臓機能低下を感じ始めた方向けに、毎日の食事でできるポイントをわかりやすく解説する「食のトリセツ」本です。

    塩分、糖質、たんぱく質、リン、カリウムといった栄養素のトリセツや、毎日の朝食、昼食、夕食別の食事アドバイス、じつは腎臓によくない「勘違い食習慣」、簡単調理の「腎臓いたわりスープ」など、腎臓を強くする食事すべてを深堀りします。

    ~はじめにより~
    私自身、診察室で患者さんの話をうかがっていると、食事について悩んでいる方がたくさんいるという実感があります。そうした方たちからは

    ▪食べてよいものがこれで合ってるかどうか、いつも気になる

    ▪あれもダメ、これもダメと思うと食べるものがなくって元気もなくなっていく

    という声も耳にします。
    本書では、腎臓をよくするために何をどのように食べればよいのかを、できるだけ具体的にお話しします。

    [CONTENTS]
    1章 長生きするために腎臓が大切な理由
    2章 腎臓が衰える原因は〇〇にあった
    3章 腎機能を強くする栄養素のトリセツ
    4章 腎機能を強くする食事のトリセツ
    5章 腎機能を強くする自炊のトリセツ
    6章 腎機能を強くする7つの基本習慣
    7章 長生き腎臓の基礎知識



    髙取優二(たかとり・ゆうじ)
    1975年生まれ。鳥取大学医学部卒業後、岡山大学病院腎・免疫・内分泌代謝内科などを経て、現在は埼友八潮クリニック院長。抗加齢医学(アンチエイジング)の観点から、腎臓病を捉えなおす新た
    な手法に取り組んでいる。日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本抗加齢医学会専門医。著書に、『人は腎臓から老いていく』『腎機能を自力で強くする 弱った腎臓のメンテナンス法』(ともにアスコム)、『腎臓の教科書』(講談社)など。



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