「この色じゃなかったら……」と思っていた私が、いまの賃貸を好きになれた理由
いまの賃貸の部屋に住み始めたとき、インテリアを考えるうえで気になったのは、ドアや床など、木目のチグハグな色と素材でした。
キッチンまわりはダークブラウン。クローゼットは少し濃いナチュラル。床は薄めのナチュラル。
どれもバラバラで、「せめてどれかひとつが揃っていたら……」「天然木だったら……」と、何度思ったことでしょう。
もともと、時間が経つほどよくなるような、深みのある空間が好きでした。
天然木の質感、ヘリンボーンのような表情のある床。素材のよさが生きる、飾らない雰囲気に憧れていました。
でもいまの部屋は、理想とはほど遠い。リノベ済みできれいだけど、よくある賃貸の内装。そう感じるたびに、少しだけため息が出ていました。
理想と違う賃貸を好きになる、3つの考え方
①「素材や色」の理想は別の場所でも叶う。カーテンや家具を「好き」に近づけるのも◎

転機は、カーテンを替えたことでした。サラッとしたシンプルなものから、リネンのざっくりとした生地のものへ。替えた瞬間、なんだかしっくりきたのです。

そのとき気がつきました。私が本当に好きなのは、素材の「質感や表情」なんだ、と。天然木やヘリンボーンに憧れていたのも、きっとそういうことだったのだと思います。
だとしたら、建具や床に求めなくてもいいかもしれない。その要素を、別の場所で叶えればいい。そう思えてから、部屋との向き合い方が少し変わっていきました。
ナチュラルな家具を選ぶ際も、木目がしっかりとしているものを選んだり、ラタン素材など、自然素材の表情を感じられるものを選んだり。
そうすることで、自分の好きの軸である「深みや表情」のあるものが増えて、いつのまにかしっくりとくる部屋になっていました。
②「色の面積」を意識する。ラグマットなど大きい面を替えて印象チェンジ
インテリア相談室でよくいただくご相談のひとつに、「ナチュラルな雰囲気が好きなのに、部屋の木の色が濃いブラウンで……」というお悩みがあります。
そんなときにお伝えするのが、「色の面積」を意識するということです。

わが家の場合、もともとのブルーの壁は気に入っていましたが、薄いのっぺりとしたナチュラル床が気になっていました。そこで素材感のあるジュート素材のラグを敷いてみることに
まずは、目線が届きやすい家具を好きな色で揃えてみる。そしてとくに効果的なのが、カーテンやラグマットなど「面積の大きなもの」をアイボリーやベージュなどのナチュラルな色にすること。
面積が大きい分、部屋全体の印象をぐっと引き寄せてくれます。
すると、不思議なことが起きます。ナチュラルな色の割合が増えると、濃い建具の色がむしろ「引き締め役」になってくるのです。
コントラストが生まれて、家具やインテリアが際立って見える。「違うと思っていたものが、空間を締めてくれていた」という感覚です。
もちろん、そのコントラストが好みかどうかは人それぞれです。でも、建具の色はそのままでも、部屋の印象はこんなふうに近づけることができます。

岩部 圭子(いわべ けいこ)
インテリアや生活雑貨のブランドで、WebコンテンツやSNSの企画・制作に携わったのちインテリアプランナーとして独立。「素敵な部屋に憧れるばかりだった自分」の経験をもとに、いまある住まいの中で少しずつ好きな空間を育てていく方法を発信している。インスタグラムやブログのほか、オンラインで部屋づくりの相談を受けながら、暮らしとインテリアを自分のものさしで楽しむヒントを届けている。
インスタグラム:@be___him
インテリア相談室:https://behim.blog/



