• 家の中でも熱中症が怖い夏に、暑さに負けず涼しく快適に過ごす工夫を、環境にやさしい快適な家づくりの専門家・前 真之さんからアドバイスしてもらいました。今回はエアコンの使い方です。
    (『天然生活』2025年8月号掲載)

    いまの暮らしに合う「エアコンの使い方」を

    猛暑が続く夏を乗り切るには、エアコンを使うことは大切です。まずは、いまの暮らしに合うように、エアコンの使い方をもう一度見直してみましょう。

    最近のエアコンは省エネ性能も高く光熱費も抑えめ。扇風機やサーキュレーターを併用する、こまめにフィルター掃除をするなどの工夫をすることで、より効率的に使うことができます。

    工夫1
    エアコンは我慢しない

    画像: 工夫1 エアコンは我慢しない

    「電気代がもったいない」と、エアコンの使用を躊躇する人がいます。しかし、現代の夏は室内が35℃を超えることも多く、エアコンは「生命を守る道具」。とくに暑さへの感覚が鈍っている高齢者は、部屋の暑さに気づきにくいため、自分の感覚だけに頼らず、温度計をこまめに確認して、エアコンをつけましょう。

    工夫2
    暑さ指数「WBGT」で熱中症を予防

    画像: 工夫2 暑さ指数「WBGT」で熱中症を予防

    熱中症リスクを予防するには、暑さ指数(WBGT)を目安にします。暑さ指数とは、気温、湿度、輻射熱(太陽光や地面からの照り返しなど)から体が感じる「暑さの負荷」を総合的に評価する指標。室内の暑さ指数が28℃を超えたら危険水域です。暑さ指数計(WBGT計)を活用して、日頃からチェックを。

    工夫3
    28℃は室温の上限 心地よい温度に設定を

    夏のエアコンの設定温度は、28℃が最適と誤解している人もいますが、超えてはいけない室温の上限と考えてください。暑いのに無理に我慢をせず、自分の感覚に合わせて温度調節をしましょう。快適な温度は人それぞれです。エアコンによる冷えすぎが気になるときは、除湿モードや風量調節を活用するようにします。

    工夫4
    エアコンはつけっぱなしが快適

    エアコンはスイッチを入れたときに最も電力を使用します。こまめにオン・オフを繰り返すと室温の振り幅が大きくなり、不快感が生じます。暑くなった部屋をフルパワーで一気に冷やすよりも、エアコンは常時つけっぱなしにして穏やかな快適さをキープを。建物によってはその方が省エネになることも。

    工夫5
    室外機の周りに熱をこもらせない

    画像: 工夫5 室外機の周りに熱をこもらせない

    エアコンを効率的に使うためには室外機に直射日光を当てないことも重要。室外機の表面温度が上昇すると、冷却効率が低下してしまうからです。日陰に設置できない場合は、アルミ製の遮熱シートやカバーを室外機上部に設置して遮熱を。室外機全体を覆うのは熱がこもり効率が下がるのでやってはいけません。

    Column
    天井の断熱でエアコン効率もアップ

    画像: 夏の暑さを乗り切る「エアコンの使い方」5つの工夫。心地よい設定温度は?省エネ対策は?効率的に使うために見直したいこと/省エネ住宅専門家・前 真之さん

    冷房効率を高めるためには、屋根の断熱も大切です。直射日光で高温になった屋根の熱が天井から室内に伝わると、せっかくエアコンをつけていても冷房が効きにくくなってしまうのです。対策としては天井の断熱をすること。それだけで室温上昇が抑えられ、体感温度も下がるのがわかるはずです。その分、エアコンの稼働もゆるやかにできるので、光熱費を抑える効果も。断熱改修は単体で行う場合、予算は100万円程度が目安。

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    <監修/前 真之 取材・文/工藤千秋 イラスト/須山奈津希>

    前 真之(まえ・まさゆき)
    東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。専門は建築環境工学。住宅のエネルギー消費に関する研究に取り組み、これまで25年以上、省エネ住宅の設計技術や評価手法の開発を続ける。健康で快適、かつ電気代を気にせず暮らせるエコハウスの実現と普及や、断熱・気密・通風などの改善、冷暖房の上手な使い方などを提案。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです


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