• なかなか踏み出せずにいただれかの助けになりたいという想い。最初の一歩を、私たちと一緒に。今回は、児童養護施設 東京育成園を訪ね、里親制度と里親子が当たり前になる社会への取り組みを拝見しました。
    (『天然生活』2025年6月号掲載)

    数週間や数カ月でも。里親子をチームで支援

    東京育成園では「家庭に帰る」ことを大切に考え、里親制度の周知、なり手の開拓、研修、里親子の相談業務にも力を入れています。世田谷区の「里親支援センターともがき」の母体でもあります。

    画像: 子どもたちを支える“里親制度”と里親として求められる力とは?里親子が当たり前に暮らせる社会を願う児童養護施設「東京育成園」の取り組み

    社会福祉法人東京育成園とは?
    児童養護施設の運営、「里親支援センターともがき」(世田谷区の業務委託)にて里親の包括的なサポートを担う。児童養護施設では随時寄付を受けつけている。物品の寄付に関してもHPを参照。

    http://to-iku.or.jp/

    里親とはどんな制度なのか、改めて里親支援センターともがきセンター長の岩田祐一郎さんに聞いてみました。

    「子どもたちを一時的に家庭で預かり、養育する仕組みが里親制度です。実親家庭の養育環境が整えば、子どもは実親の元に帰ることが前提となっています。つまり、あくまで子どもを『一定期間預かり養育する』制度です」

    画像: 6人の子どもとケアワーカーが暮らすコテージタイプのホーム。目の前には大きな庭や遊具も

    6人の子どもとケアワーカーが暮らすコテージタイプのホーム。目の前には大きな庭や遊具も

    法的な親子関係となる養子縁組とは制度に大きな違いがありますが、担う責任は同じくらい重いもの。

    「もちろん、責任はあります。だからこそ、まず数週間や数カ月という短期で子どもを迎える里親さんもいます。『長期は自信がありません』という方が、一歩を踏み出すきっかけにもなっています」

    里親制度は、いくつかの要件を満たすこと、研修などを経て認定されることで登録できます。

    「シングルマザーの方や、実子を育てあげたご夫婦などさまざま方が登録してくださっています」と岩田さん。簡単に手を挙げることはできませんが、絶対的な自信がなくても、各分野のプロがチームとなり里親子を支援してくれます。

    画像: 子どもたちが描いた作品を壁に飾って。1人ひとりの個性を尊重し、大切に育てている

    子どもたちが描いた作品を壁に飾って。1人ひとりの個性を尊重し、大切に育てている

    いま、里親として求められる「中高生の親」経験者

    そして、いま、中高生を迎えてくれる里親が不足しているといいます。とくに50代、60代のかつて「中高生の親」だった世代の力が求められているそうです。

    「いきなり里親制度に登録して、『中高生を迎えてください』といえばだれでも無理無理! となると思います。まずは、親と離れて暮らす子どもたちや里親の存在を知ってほしいです。里親カフェというイベントやオンライン説明会もあるのでぜひお気軽に。里親に関して詳しく聞きたい場合は、お住まいの自治体の児童相談所に連絡してみてください」

    知ることで、ハードルが実際はそれほど高くないと思うかもしれません。そして、自分が里親にならないとしても、里親子の存在を特別なものに思わなくなるかもしれません。

    「隣の家や近所に里親子がいるかもしれない。みんなが同じように家族として暮らしています。それが当たり前な社会になることが願いのひとつです」

    画像: 「子ども中心主義」の理念の下、幼児から高校生まで、多くの子どもたちを見守る高橋園長

    「子ども中心主義」の理念の下、幼児から高校生まで、多くの子どもたちを見守る高橋園長

    高橋さんおすすめの最初の一歩
    里親をYouTubeで知る

    「3組の里親が登場するYouTube動画『こんな私たちでも里親やってます! 里親同士の本音インタビュー』はカジュアルなつくりで、里親について知る始めの一歩になります」

    SETA-OYA YouTubeチャンネル@SETA-OYA

    高橋さんおすすめの最初の一歩
    オンライン説明会に参加

    オンライン説明会「里親って?説明会」は世田谷区の里親制度の説明会ですが、全国どこに住んでいても参加可能。

    「里親カフェなど、住んでいる自治体のイベントに参加するのもいいきっかけになります」

    世田谷区の里親相談室 SETA-OYAhttps://seta-oya.com/



    〈撮影/山川修一 構成・文/飯作紫乃〉

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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