• 2026年9月18日(金)公開のドキュメンタリー映画『リサ・ラーソンがいた時間』。公開を記念して、監督を務めたリサ・ラーソンの孫、エミリア・エクマン・ラーソンさんにインタビュー。今回は、8年もの歳月をかけて祖母を撮り続けたエミリアさんに、映画づくりを通して見つめたリサさんの素顔や、ふたりや「家族」の間に流れていた特別な時間について伺います。

    「祖母を知りたい」映画づくりで深まったリサとのきずな

    スウェーデンを代表する陶芸家、リサ・ラーソン。愛らしい動物や人々をかたどった作品は、世界中で長く愛され続けています。

    画像: 『リサ・ラーソンがいた時間』 © 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB

    『リサ・ラーソンがいた時間』
    © 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB

    エミリアさんが、祖母・リサさんのことをもっと知りたいと思ったきっかけは、美術学校に通っていたころ。

    同級生からリサさんについて尋ねられ、何も答えられなかったことから、「彼女のことをもっと知りたい」と思うようになったそう。その思いから撮影を始め、ふたりは対話を重ねていきました。

    「私にとって家族は、とても大きな存在。いつも支え合い、お互いのことをよく理解しています。でも、家族との関係も時間とともに変化していくもの。この映画をつくったことで、以前よりいろいろなことを聞けるようになり、家族との距離も近くなったように感じています」

    画像: エミリア・エクマン・ラーソン監督

    エミリア・エクマン・ラーソン監督

    8年にわたる撮影で、エミリアさんが大切だと感じたのが、家族に“質問をやめないこと”。

    「私はリサに同じ質問を何度もしてきましたが、そのたびに新しい話が出てくるんです。人が安心して心を開くには、質問されることに慣れる時間も必要なんだと気づきました。家族は身近だからこそ、『どんな人か知っている』と、つい、わかったつもりになってしまう。でも、何度も同じことを問いかけていくうちに、それまで知らなかったことも話してくれるようになったんです」

    人生、家族…あらゆることについて話した“濃密な8年間”

    人生や家族、仕事のこと。リサさんにさまざまな問いを投げかけてきたエミリアさんは、「聞いておけばよかったと思うことはない」と語ります。

    「いまは思い浮かばないです。本当にあらゆることについて、たくさん話をしたから。もちろん、彼女がいまも生きていたら、聞きたいことは出てくると思います。でも、後悔はありません。ただ、もし私に子どもができることがあったら、そのときまで生きていてくれたらよかった。子どもと一緒にいる彼女を見てみたかったし、いろいろ聞いてみたかったですね」

    画像: リサさんと過ごした時間を思い出しながら、やさしい笑顔で話してくれたエミリアさん

    リサさんと過ごした時間を思い出しながら、やさしい笑顔で話してくれたエミリアさん

    映画では、70年にわたって人生と創作をともにした夫・グンナルさんとの結婚生活など、リサさんが初めて明かすエピソードも。

    幼少期の記憶や家族への思いなど、エミリアさんとの親密な対話から、これまで知られていなかったリサさんの一面が浮かび上がります。

    自分を知り、家族との関係を見つめ直すきっかけに

    アーティストであり、妻であり、母親であり、おばあちゃんだったリサさん。

    そんな彼女の前向きさや、何にでも心を動かされる豊かな感性を、エミリアさんはずっと尊敬していたといいます。

    「彼女はいつもポジティブで好奇心にあふれ、だれかが何かを話すと『わあ! すごい!』と目を輝かせるような人でした。私自身もそういうところがあると思うし、そうありたいと思っています。彼女はすぐに泣くし、すぐに笑う。愛情も怒りも、いろいろな感情を強く感じる人でした。そういうところは、私も彼女から受け継いだのかなと思います」

    画像: © 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB

    © 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB

    また、映画制作の過程を通して、“自分を知ること”が、だれかとの関係を築くことにもつながると感じたというエミリアさん。

    「自分を知るって、本当に素晴らしいことです。自分を知れば、ほかの人のことも見えてくる。自分自身との関係を深め、そしてだれかとの関係を築きながら、本当の意味でつながっていく。それが人生で何より大切だと思っています」

    映画を観た人からは、自分の家族や大切な人との関係を振り返ったという声を聞くことも多いそう。

    「家族の弱さまでオープンに見せて、だれが興味をもってくれるんだろう? と思ったこともありました。でも実際は、多くの方が自分自身の家族に思いを重ねてくれて。この映画を観た人が感じたことや、それぞれの家族への思いを聞けることが、私にとって何よりうれしい。この映画が、大切な人との関係を見つめるきっかけになったら。それこそが、この映画をつくった意味だと思っています」

    画像: 取材中、自身の家族を思い出し涙ぐむ編集スタッフの手をそっと握りながら「感情を外に出すことは人生でとても大切なこと。まさに、映画を通じて人の気持ちを動かしたかったんです。ありがとう」

    取材中、自身の家族を思い出し涙ぐむ編集スタッフの手をそっと握りながら「感情を外に出すことは人生でとても大切なこと。まさに、映画を通じて人の気持ちを動かしたかったんです。ありがとう」

    〈撮影/星 亘 取材・文/阿部里歩〉



    『リサ・ラーソンがいた時間』

    2026年9月18日(金)よりシネスイッチ銀座他にて公開中
    監督・撮影:エミリア・エクマン・ラーソン
    出演:リサ・ラーソン、グンナル・ラーソン、マティアス・ラーソン、エミリア・エクマン・ラーソン、フランコ・ニコロシ
    2025年/スウェーデン/スウェーデン語/94分/カラー/1.85:1/5.1ch
    英題:Memories In Clay:A Film About Lisa Larson
    字幕:LiLiCo
    後援:スウェーデン大使館
    協力:株式会社トンカチ
    配給:ミモザフィルムズ
    © 2025 Kamlert Film AB, Film i Skåne AB, Sveriges Television AB

    公式サイト:『リサ・ラーソンがいた時間』

    インスタグラム
    @lisalarsonfilm(日本公式アカウント)
    @lisalarsondoc(本国公式アカウント)



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