出したり、しまったり、つい手に取りたくなる不思議な魅力がある「入れ子」の品。目利きの自慢の品を拝見です。今回は、「木と根」オーナー、林 七緒美さんの入れ子自慢をどうぞ。
(『天然生活』2015年8月号掲載)
(『天然生活』2015年8月号掲載)
物がもつ背景や物語に思いを馳せて
天神さんの市で見つけたかご
アメリカのシェーカーボックス
柳 宗理のボウル
入れ子の同じ形がひとまわりずつ小さくなっていくさまにひかれる、という林さん。
現代の作家物や古いものを大切にする京都人らしく、骨董市に出かけて掘り出し物を見つけるのも楽しみだそう。
「新しいものを自分で育てるのも好きですが、古いものにもひかれます。この入れ子のかごも、産地や用途はまったくわからないのですが、農家のおばあちゃんが使っていたのかな……なんて、物語を想像するのが好きなんです」
柳宗理のボウルやシェーカーボックスなど、国や年代を問わず存在する入れ子のもの。それぞれがもつ背景に思いを馳せ、そこからまた、新しい時を重ねていく。
“物好き”は“物語好き”でもあるのかもしれません。
「七草」前沢リカさんの入れ子自慢へ ⇒
「ダイヤメゾン」寺脇永子さんの入れ子自慢へ ⇒
<撮影/大塚杏子 取材・文/野崎 泉>
林 七緒美(はやし・なおみ)
京都市内で、日用道具と喫茶室の店「木と根」を営む。2019年8月より京都御所の南向かいに「ギャラリーレイクウォール」を開設。楽しい企画を提供していきます。来春、道具にまつわる書籍を出版予定。
http://kitone.jp/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです