• 出したり、しまったり、つい手に取りたくなる不思議な魅力がある「入れ子」の品。目利きの自慢の品を拝見です。今回は、「七草」店主、前沢リカさんの入れ子自慢をどうぞ。
    (『天然生活』2015年8月号掲載)

    デザインも素材もそっけなく

    松徳ガラスのうすはりグラス

    画像: 口をつけたときの繊細な感触、そして、氷を入れたときの、からん、という音が美しいグラス。お茶やジュースを飲むのによく使うのは、2番目に大きいもの。一番小さなサイズは、一輪挿しとしても使っている

    口をつけたときの繊細な感触、そして、氷を入れたときの、からん、という音が美しいグラス。お茶やジュースを飲むのによく使うのは、2番目に大きいもの。一番小さなサイズは、一輪挿しとしても使っている

    貝印の計量スプーン

    画像: 置いたときに自立するのが便利。リングでまとめられているわけでもなく、柄に樹脂など異素材が使われていないのが見た目にも心地いい

    置いたときに自立するのが便利。リングでまとめられているわけでもなく、柄に樹脂など異素材が使われていないのが見た目にも心地いい

    合羽橋のやっとこ鍋

    画像: 東京の道具街・合羽橋でそろえたアルミのやっとこ鍋。「直径18cm程度までのものなら、中身が入っても、十分、女の人でも扱える重さですよ」

    東京の道具街・合羽橋でそろえたアルミのやっとこ鍋。「直径18cm程度までのものなら、中身が入っても、十分、女の人でも扱える重さですよ」

    前沢さんが考える、入れ子のよいところは、数が増えても収納スペースは変わらないこと。

    「物を多く持つのが苦手なんです。重なっていると、増えていることを気にせずにすむから、気分的に楽になるんですね」

    そして、用途に関係ないデザインが施されたものも苦手、という前沢さん。物の存在感が大きすぎると、たじろいでしまうのだとか。

    「入れ子が好きなのは、もしかしたら、そのフォルムも関係しているかもしれません。過度にデザインされたものは、美しく重ね入れることが難しくなりますから」

    ガラスとステンレスとアルミ。入れ子は、どれも余計な素材を掛け合わさない、その材質まで簡素なところも好ましい理由です。

    「木と根」林 七緒美さんの入れ子自慢へ ⇒
    「ダイヤメゾン」寺脇永子さんの入れ子自慢へ ⇒

    <撮影/有賀 傑 取材・文/福山雅美>

    前沢リカ(まえざわ・りか)
    東京・富ヶ谷にて和食の店「七草」を営む。著書に『野菜の料理教室』(エンターブレイン)など。
    http://nana-kusa.net/

    画像: 「七草」前沢リカさんの入れ子自慢

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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