3回にわたってお伝えしてきたメキシコの旅シリーズも今回で終わり。本日はエンドロールのように、この旅でお世話になった方々のことをご紹介したいと思います。
まず、メキシコシティでもサン・クリストバル・デ・ラスカサス(サンクリ)でも各地を案内してくれた、くらみさこさん。もう20年来の友人であるくらちゃんは今、サンクリで小さな日本食のお店、「美蔵すし Mikura Sushi」を営んでいます。
美蔵すしは巻き寿司にかき揚げ、デザートの抹茶ケーキもおいしいお店。日本から遠く離れた地でも和食をいただけるのは、ありがたくほっとしますよね。サンクリを訪れた際には、ぜひご利用を!
くらちゃんは日本の有名美術大学を飛び出し、20歳でニューヨークのアートスクールに通うため渡米。そこから世界中を旅したあと、中米で暮らすようになりました。
ときにニカラグアの島に暮らし、ときに自作のアクセサリーを売りながらフランスを旅し、ときには馬も育てて……と、その半生を聞けば驚くようなエピソードばかり。けれど、彼女が重ねてきた選択の奥をよくよく見つめてみると、そこには「いかに幸せに生きるか」という軸がシンプルに息づいているように感じます。
「くらちゃんはこうやって生きている。さあ、私はどうする?」
彼女と会って、とりとめもない話をしながら、私はいつも自分にそう問いかけているのかもしれません。今も昔も、尊敬する大切な友人です。
次にご紹介するのは、くらちゃんが仕事の間、サンクリを案内してくれたのは娘のレナちゃん。
日本で生まれ、ニカラグアで育ち、サンクリで暮らして早4年。夢はインスタグラマーになること! という、可愛い13歳です(インスタグラムでぜひ、「レナハーツ @lenahearts07」を探してみてくださいね)
明るくて社交的、太陽のようにキラキラの笑顔のレナちゃんと歩く街は楽しく心強く、道端でアイスクリームを食べたり、ウィピル(中南米の民族衣装)を試着したり、友達同士のように華やいだ時間をすごすことができました。レナちゃん、本当にありがとう!
SNSも乗馬も同じくらい大好きで、プラスチックごみによる環境破壊にも高い関心を寄せる彼女。そのまっすぐなまなざしからも、今回はたくさん刺激をもらいました。
東京で暮らしていたときから、定期的にお腹の虫が動き出し、「今、ここ」でないどこかへと旅したくなる私。
それは美味しいものを食べたり、美しい景色を眺めるためだけではなく、世の中の「当たり前」は一つでないこと、世界にはいろんな時間が流れていることを何度でも肌で感じるための時間なのかもしれない。そんなことを、はじめてのメキシコ旅ではとくに強く感じたのでした。また行きたい!
というわけで、今回の旅のお話は、ここまで。次回からは、私の日々の暮らしのできごとをまた、綴っていきたいと思います。
玉木美企子(たまき・みきこ)
農、食、暮らし、子どもを主なテーマに活動するフリーライター。現在の暮らしの拠点である南信州で、日本ミツバチの養蜂を行う「養蜂女子部」の一面も
<撮影/佐々木健太(プロフィール写真)>