• 絵本好きの編集者・長谷川未緒さんが、大人も子どもも楽しめる、季節に合わせた絵本を3冊セレクト。今回は、「友だち」をテーマにした絵本を紹介します。
    画像: 「友だち」をテーマにした絵本3冊|ずっと絵本と。

    休校にリモートワーク、外出自粛……。いろいろとがまんしていることが多い日々、なにより辛いことのひとつは、友だちと会えないことではないでしょうか。そこで今回は、「友だち」をテーマに絵本をセレクトしました。

    『ふたり』(瀬川康男・作 冨山房)

    画像: リトグラフで描かれた美しい絵本。

    リトグラフで描かれた美しい絵本。

    登場するのは、猫とねずみのふたりです。

    にやり
    と笑った猫が、
    きらり
    と目を光らせ、ねずみを見つめます。

    ばさり
    と襲い掛かると……

    画像: 猫の鋭い爪に、ねずみはやられてしまうのでしょうか。

    猫の鋭い爪に、ねずみはやられてしまうのでしょうか。

    ひらり
    と逃げたねずみは
    とぷり
    と水の中に逃げ込みました。

    全編を通じて、「り」で終わるリズミカルな文は心地よく、オレンジ、ブルー、ネイビー、ブラウンの4色で刷られた細密な絵はアート作品としても楽しめます。

    画像: 水がきらいなはずの猫、ねずみを追って飛び込んでしまいました!

    水がきらいなはずの猫、ねずみを追って飛び込んでしまいました!

    激しい攻防を見せるふたりですが、じつは仲良し。

    最後は
    ふたり
    のんびりくつろいだ様子を見せますので、ご安心を。

    『まちのいぬといなかのかえる』(モー・ウィレムズ・文 ジョン・J・ミュース・絵 さくまゆみこ・訳 岩波書店)

    画像: 原題は『CITY DOG, COUNTRY FROG』。韻を踏んでいて、コンビの話なのだということが、よく伝わってきます。

    原題は『CITY DOG, COUNTRY FROG』。韻を踏んでいて、コンビの話なのだということが、よく伝わってきます。

    春、街の犬が、家族とともに田舎を訪れました。そこで知り合ったかえると、友だちになります。

    田舎がはじめての犬は、
    かえるに田舎の遊びを教えてもらって、大喜び。

    夏、ふたたび田舎を訪れた犬は、かえると再会。またまた、めいいっぱい遊ぶふたり。

    秋、街の犬は、かえるの元へまっしぐら。
    なにして遊ぶ?ときくと、くたびれたから、思い出し遊びをしよう、とかえる。

    冬、街の犬はかえるを探しますが、もうかえるはいませんでした。

    画像: 広い雪原にぽつんと……。

    広い雪原にぽつんと……。

    また春がやってきて、
    街の犬がかえるを待っていると、そこへりすが現れて……。

    めぐる季節、寿命のちがうふたりの友情、新しい出会い、何度読んでもきゅんとくる、切ない絵本です。

    『わたしとあそんで』(マリー・ホール・エッツ 文・絵 よだ じゅんいち 訳 福音館書店)

    画像: 1968年初版の、ロングセラー絵本。

    1968年初版の、ロングセラー絵本。

    「あさひが のぼって、くさにはつゆが ひかりました。
    わたしは はらっぱへ あそびに いきました。」

    はらっぱでは、たくさんの生き物たちが
    おもいおもいにすごしています。

    わたしは、そこで出会う生き物たちに、
    「あそびましょ」と話しかけ、つかまえようとしますが、だれも相手にしてくれません。

    画像: はなをぴくぴくさせて、お花を食べているうさぎも、逃げてしまいます。

    はなをぴくぴくさせて、お花を食べているうさぎも、逃げてしまいます。

    だあれもあそんでくれないので、
    わたしは、ちちくさをとって、種をぷっとふきとばしました。

    (ところで、ちちくさって何? と思いませんか? ぜひ絵本を見てみてくださいね。)

    それからわたしは石にこしかけて、
    みずすましが池に筋をひくのを見ていると
    生き物たちがゆっくりと戻ってきて……。

    画像: 女の子の目線が愛らしいのです。

    女の子の目線が愛らしいのです。

    自然とお友だちになるには、こちらから強引に近寄ってもダメで、ゆっくり、向こうのペースに合わせることが大切という、生き物と仲良くなるヒントにあふれています。

    でね、これって人と人とのつきあいも同じだし、なんなら恋愛もそうよねーなんて思っています。

    旧友と親交を深め、はじめましての人と仲良くなれる日常が早く戻りますように。


    画像: 『わたしとあそんで』(マリー・ホール・エッツ 文・絵 よだ じゅんいち 訳 福音館書店)

    長谷川未緒(はせがわ・みお)
    東京外国語大学卒。出版社で絵本の編集などを経て、フリーランスに。暮らしまわりの雑誌、書籍、児童書の編集・執筆などを手がける。リトルプレス[UCAUCA]の編集も。ともに暮らす2匹の猫のおなかに、もふっと顔をうずめるのが好き。

    <撮影/神ノ川智早(プロフィール写真)>


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