外出制限下では庭仕事が人気
日本でも外出自粛が始まりましたが、まずはみなさまのご健康をお祈りいたします。
イギリスは、外出制限が延長されました。人間の世界でいろいろあっても、自然に目を向けると、あざやかな緑が一日、一日と濃くなっていくこの季節。藤が見事に咲き乱れ、バラの花も少しずつ顔をだし、一日1回の散歩、ウォーキングが楽しみです。
おうち時間がたっぷりあるいま、ガーデニングに時間をかけるご近所さんをよく見かけます。ただ、ガーデンショップは、地域に必要不可決な公共サービスとして認められた、「キーワーカー」に指定されませんでしたので、閉店してしまいまい、新しく花や苗を買いたくても、ネット通販でしか購入できない状況が続いていました。
外出制限以来、配管、電気系統などの商品だけを売っていた大きなホームセンターが最近、ガーデニング用品含むすべての商品の販売を再開したのでみんな大喜びです。もちろん、入場制限、ソーシャルディスタンスの保持は続いています。
ローカルエリアのガーデンショップが花や苗が売れなくて困っています。また、花や苗を買いたいという街の人たちの声を聞いたデリでは、花や苗などを売ることになりました。毎朝届くデリからのニュースレターで、花や苗を買うことができることを知った私は、早速買いにでかけようと外に出ると、ご近所さんはもうすでに苗を抱えて帰宅するところでした。聞くと、「もう売り切れよ!」とのこと。みなさん、素早い!
ウォーキングで見つけたなつかしい植物
幸いなことにお天気がいい日が続いているコッツウォルズ。ガーデニングはもちろん、ウォーキングもまっ青な空の下、歩くのは気持ちがいいです。ブルーベルが満開の森の中を歩き、小川をわたり、緑のフィールドではひつじの群れの中にかわいい子ひつじを見ることができます。
春は出産ラッシュです。ひつじだけじゃなく、野原でうさぎもちらほら見かけるようになりました。ある日、夫と娘と一緒にウォーキングしていて、ふと、足元を見るとなんと、なつかしいつくし発見しました! 思わず、夫と娘にも伝ってもらい、その場でつくし採りをはじめました。夫も娘も、「これ、食べられるの?」と疑っていましたが、だんだんつくし採りが楽しくなってきたようで、「あっ、ここにも!」「あそこにも!」と、どんどん収穫していました。
日本人の友人によると、どうやら、ワラビやヨモギも生えているらしく、これからのウォーキングは目を凝らしながらとなりそうです。採ったつくしは、あくを抜いて佃煮にして、その日はとても贅沢な夕食となりました。
それでも季節は巡って……
外出制限がスタートしてから8週間が経ちました。季節はどんどん移り変わり、日が延びて、毎週木曜日の午後8時の医療従事者への拍手の時間も明るくなり、ご近所さんたちの顔もしっかり見えるようになりました。お隣の家族は、抱っこされた赤ちゃんも拍手しています。
人と人が触れ合うことができな外出制限下。だいじょうぶと思っていても、実は体にはストレスがきていたみたいです。その分、自然に触れ、月を眺め、おいしい食事をし、家族で毎日いろいろな話しをして、ネットで友人たちに会い、ご近所さんと挨拶してソーシャルディスタンスを保ちながら少し立ち話しし、お互いを気遣います。
触れ合うことがなくても、もっと深いところで繋がることで、前へ進むことができているように感じます。
明日も天気予報は晴れ。ウォーキングには袋を持って行ってきます!
<撮影・文/コヅエ ガーナー>
コヅエ・ガーナー
神戸市出身。イギリス・コッツウォルズ在住。ソフトファニシング・インテリア、風水インテリアデザイナー。2008年からMisty Interiorをスタートし、ロンドンを中心に活動している。