はじめまして、テンモアのアートディレクター陳小爵(チェン・シャオジュエ)です。
靴下のデザインのほか、ブランド全体のデザインやディスプレイ、写真撮影などを担当しています。テンモアの写真はすべてフィルムカメラを使って撮影しています。この写真は新作発表会の時にメンバーたちと撮ったもの。中央でメガネをかけているのが私です。
今回は私が生まれ育った場所でもある基隆(きいるん)で、私たちがカタログ撮影をしたとっておきのスポットをご案内します。
基隆の台所「仁愛市場(じんあいいちば)」
「仁愛市場」は日本統治時代から続く歴史あるマーケット。
一階は生鮮食品売り場で、二階にはお買い物を終えたご婦人たちが立ち寄れるフードコート、美容サロンや洋服店から占いまで、個性豊かな店が300以上も軒を連ねる魅力的な場所です。
お気に入りは、お粥やおにぎりに入れて食べる台湾の肉そぼろ「肉鬆」の老舗「大王肉脯店」。市場の向かいにあります。できたて無添加のクリスピーな肉鬆は、そのままペロッと一袋食べられるくらい好きです。
こんな風に、台湾で一番おいしいものはすべてこの市場に揃っていると思っています。
仁愛市場
住所:基隆市仁愛區愛三路21號
営業時間:8:00~19:00(店舗により異なる)
定休日:店舗により異なる
基隆っ子なら誰もが通った「中正公園(ちゅうせいこうえん)」
高台にあって、港も海も一望できる場所。
ここにはシンボルとも言える大きな大仏があって、小さい頃にはものすごく大きいと思っていたけれど、大きくなってから行くとそうでもないんですよね。
基隆は雨が多く降ることから「雨の都」と呼ばれていて、この日も雨上がりにみんなでお尻を濡らしながら撮影しました。
旧暦の7月(鬼月)には灯籠を流す行事があってとても盛り上がるので、日本の皆さんにもぜひ見ていただきたいです。
中正公園
住所:基隆市中正區壽山路
https://jp.taiwan.net.tw/m1.aspx?sNo=0003105&id=634
映画の舞台にもなった歩道橋「中山陸橋(なかやまりっきょう)」
私たちが小さかった頃、歩道橋にはいつも屋根が付いていました。
今は歩道橋が次々と街から撤去されているので、屋根付きのものを見かけることはほとんどなくなりましたが、この歩道橋は2001年に上映された映画『千禧曼波(邦題:ミレニアム・マンボ)』で撮影の舞台になったこともあって、今でも多くの人々が訪れる大切な場所です。
中山陸橋
住所:基隆市仁愛區孝四路10號
風光明媚な海辺スポット「八斗子海浜公園(はちとしかいひんこうえん)」
基隆市街地から車で20分ほど走ったところに、「八斗子海浜公園(はちとしかいひんこうえん)」があります。
映画の撮影で舞台美術を手伝うために訪れ、あまりの美しさにびっくりしました。
海の向こうに山々が見渡せるこの場所は、海の色や山々の緑が変化して一年中それぞれ違った美しさを見せてくれます。
八斗子海浜公園
住所:基隆市中正區北寧路21號
八斗子の「碧砂漁港」には海鮮レストランがいくつもあります。なかでも私たちのお気に入りは「漁品軒」。
マナガツオのビーフンスープ「白鯧魚米粉湯」やトビウオの卵が入ったチャーハン「海味冠軍炒飯」など、台北では見られない海鮮創作料理は格別です。
帰り道にぜひ立ち寄ってみてくださいね。
漁品軒
住所:基隆市中正區北寧路71號
電話番号:02-2469-7656
営業時間:10:30~21:00 不定休
https://www.yph-seafood.com.tw/
+10・テンモア
2012年に台湾で設立された靴下ブランド。ひとつひとつの靴下や色に詩を用いるなど、若手デザイナーらの独特の感性と世界観を持ち、日本にもファンが多い。日本語で紹介された書籍に『+10 テンモア台湾うまれ、小さな靴下の大きな世界(トゥーヴァージンズ)』がある。
日本語オフィシャルサイト
https://www.10moresocks.com/?Culture=ja-jp
取材・文/近藤弥生子(こんどう・やえこ)
2011年2月より台湾在住の編集・ライター。日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う「草月藤編集有限公司」を主宰。台湾で妊娠・出産後に離婚し、シングルマザーとして6年間過ごしたのち、台湾人と再婚。現在2児の母。ブログ『心跳台湾』で台湾での暮らしを綴っている。http://www.yaephone.com/