• 二十四節気 芒種(6月5日~21日)
    日々の暮らしの中にある季節の移ろいを
    白井明大さんの詩・文と當麻妙さんの写真で綴ります。

    青い嵐

    川辺で
    ひばりの声に
    耳をすましてたら

    浅瀬に顔を出した
    石にのぼって
    亀が甲羅を干してるから

    梅雨の晴れ間の
    昼日なかに
    ぼくは
    あくびして
    向こう岸とか空とか
    見まわしながら

    日の光も
    ひばりのさえずりも
    どこから来るのか
    まんべんなく
    満ちあふれた場所で

    自分で
    なんとかして
    と言われたときの

    居心地わるさを
    風にさらわれないように
    とっておこうか

    いまの気持ちを
    忘れないように
    気づきの種が
    いつか芽吹く日のために

    ぐるぐる吹き荒れた心の
    ひとつひとつに
    言葉を与えて

    季節の言葉:青嵐(あおあらし)

    生い茂る青葉をゆさゆさと揺らして吹き渡る、やや強い風を、青嵐といいます。若々しい息吹きそのもののような風。

    二十四節気では夏の三番目の季節、芒種(ぼうしゅ)が六月五日からはじまります。いまでは種まきも田植えも早まりましたが、芒種とは稲などの種をまく頃という意味で、田畑の作物を育むのに適した時期です。

    六月十六日~二十日には、七十二候*の芒種末候「梅子黄なり(うめのみきなり)」の候が訪れます。梅の実が色づき熟す候。今年の夏も酸っぱい元気を召し上がれ。

    *七十二候……旧暦で一年を七十二もの、こまやかな季節に分けた暦。日付は2020年のものです。


    白井明大(しらい・あけひろ)
    詩人。沖縄在住。詩集に『生きようと生きるほうへ』(思潮社、丸山豊賞)ほか。近著『歌声は贈りもの こどもと歌う春夏秋冬』(福音館書店)など著書多数。新刊に、静かな旧暦ブームを呼んだ30万部のベストセラー『日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー 増補新装版』(KADOKAWA)。

    當麻 妙(とうま・たえ)
    写真家。写真誌編集プロダクションを経て、2003年よりフリー。雑誌や書籍を中心に活動。現在、沖縄を拠点に風景や芸能などを撮影。共著に『旧暦と暮らす沖縄』(文・白井明大、講談社)。写真集『Tamagawa』。
    http://tomatae.com/


    This article is a sponsored article by
    ''.