• 「おまもり」の語源は“見守る”だそうです。私が私らしく、居心地よく生きるための「おまもり」を分けていただきに、大段まちこ(フォトグラファー)&井尾淳子(フリー編集者)の二人が、心とからだを整える魔法使いのような人々を訪ねます。東京・表参道にある「源保堂鍼灸院(げんぽうどうしんきゅういん)」の瀬戸佳子先生に、初夏におすすめの、からだの熱を冷ましてくれるうえに、うるおいも与えてくれる「薬膳おやつ」を教えていただきました。
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    おまもりルームより
    ふっくらとした愛を込めて。
    画像: おまもりルーム | 心とからだを整える。
第五回 食べてデトックス かんたん薬膳おやつ(豆乳蒸しパン編)「源保堂鍼灸院」(東京・表参道)
大段まちこ×井尾淳子

    初夏の薬膳ポイント(1)
    湿気を取って、体を冷やさない

    源保堂鍼灸院にて「薬膳部」を担当する瀬戸佳子先生に、季節に合わせた「薬膳おやつ」の考え方を教わった私たち。今回も引き続き、お話を伺っております。

    佳子先生:「梅雨が近づいて、湿気が出てきましたね」

    井尾:「ですね~。急に蒸し暑い~」

    大段:「本当。苦手なシーズンです……。こういう時期の食材には、前回伺った豆乳が良いのでしたよね」

    井尾:「そうそう。からだの熱を冷ましてくれるうえに、うるおいも与えてくれるという!」

    佳子先生:「その通りです。今回も、豆乳を使ったおやつをご紹介しますよ」

    二人:「楽しみ~(わくわく)」

    よもぎと小豆の豆乳蒸しパンのつくり方

    画像: よもぎと小豆の豆乳蒸しパンのつくり方

    材料・直径6cmのプリン型約4個分

    ● 黒砂糖15g
    ● 豆乳100ml
    ● 植物油20g
    ● 塩ひとつまみ
    ● A
    ・小麦粉95g
    ・ベーキングパウダー小さじ1
    ・よもぎ粉5g
    ・黒すりごま5g
    ● ゆで小豆(水気を切ったもの)80g

    下準備

    *プリン型(または、マグカップ)に紙カップを入れる(約10cm四方のオーブン用シートを型に敷いてもOK)。

    つくり方

     ボウルに黒砂糖、豆乳、植物油、塩を入れ、泡立て器で、乳化するまでよく混ぜ合わせる。

     を合わせて万能こし器などでに一気にふるい入れ、ゴムべらで切るように混ぜる。さらに、小豆も入れて粉っぽさがなくなるまでさっくりと混ぜ合わせる。

     型にの生地を2/3ほどの高さまで生地を流し入れる。

     蒸気の上がった蒸し器に型を並べ、ふきんで包んだふたをし、強火で15分ほど蒸す(※電子レンジの場合は、容器の上に水で濡らしたキッチンペーパーとラップをふんわりとかけて、600Wで1分半加熱する)。

     竹串を刺して生地がついてこなければ火を止め、型からはずして粗熱を取り、紙カップをはずす(※電子レンジの場合は、取り出して型からはずしたら、ラップをかけておく)。

    ※ ※ ※

    佳子先生:「まず、“よもぎと小豆の豆乳蒸しパン”です」

    井尾:「よもぎ感がすごい! そして、からだに良さそうです」

    大段:「粉のよもぎを使うのは、手軽でいいですね」

    佳子先生:「よもぎには、体内の湿気を出してくれる作用があるんですよ。梅雨時期になるとむくみやすいとか、夏でもからだの中が冷えているという人にはおすすめです」

    大段:「そういえばよもぎって、お灸の原料でもありますよね」

    佳子先生:「はい。よもぎには“経絡を通す”作用があると考えられています。韓国によもぎ蒸しってありますけど、女性のからだを温めてくれる食材なんですよね」

    大段:「暑さと冷えのバランスをとるのが難しくて、この時期はいつも悩みます」

    井尾:「暑いからって冷たいおやつを食べすぎると冷えちゃうし……」

    佳子先生:「ホットケーキミックスなどによもぎ粉を追加してもいいですよ。あと、蒸しパンに使った小豆も、水分代謝を良くするので、夏には良い食材です。豆類にはデトックス効果があって、湿気を取り除く作用があるんです」

    二人:「小豆! ナルホド」

    佳子先生:「湿気を取る、余分な熱を取る、利尿する。小豆は三拍子そろっていますから」

    バナナとレーズンの豆乳蒸しパンのつくり方

    画像: バナナとレーズンの豆乳蒸しパンのつくり方

    材料・直径6cmのプリン型約4個分

    ● バナナ1本
    ● 豆乳70ml
    ● レーズン35g
    ● A
    ・小麦粉100g
    ・ベーキングパウダー小さじ1
    ・シナモン小さじ1/2

    下準備

    *プリン型(または、マグカップ)に紙カップを入れる(約10cm四方のオーブン用シートを型に敷いてもOK)。

    つくり方

     ボウルに、皮をむいたバナナを手でちぎって入れ、フォークやマッシャーなどでつぶす。豆乳を入れ、泡立て器で表面が軽く泡立つまで、よく混ぜ合わせる。

     「よもぎと小豆の豆乳蒸しパン」のつくり方の小豆をレーズンに替え、と同様につくる。

    ※ ※ ※

    初夏の薬膳ポイント(2)
    お通じをよくして、肺をうるおす

    佳子先生:「ふたつめの蒸しパンは、“バナナとレーズンの豆乳蒸しパン”です」

    大段:「こちらも美味しそう」

    井尾:「バナナは夏のフルーツですし~」

    佳子先生:「そうですね。お通じも良くすることで、体の余分な熱も出してくれます。そして肺と腸をうるおわせてくれるので、便秘になりやすく、乾燥しがちな人にオススメですよ」

    井尾:「便秘も? 夏と関係するんですか?」

    佳子先生:「夏は汗をかきやすく、体も水分不足になりがちです。すると腸内も乾燥して、便秘になることがあるんです。すると、空咳も出やすくなります。夏の後半に咳が出る方は、単純に汗のかきすぎによる乾燥が原因かも。バナナは腸と肺の両方をうるおわせて、便秘と空咳の解消によい食材です。また、東洋医学では、肺と大腸と肌は、相互に関連していると考えられています。お通じが悪いと、肌荒れしますよね。お肌の調子は便秘だけでなく、免疫力とも関係しますから、体調のバロメーターでもあるんですよ。」

    二人:「ほほぉ~……」

    井尾:「つまり、お通じをよくしておくというのは、総合的にからだを整えるための重要なポイントってことですね」

    佳子先生:「その通りです!」

    大段:「そして、こちらの蒸しパンに入れているレーズンにも、秘密がありそうですね」

    佳子先生:「はい。レーズンには、血液を補って、パワーを出す作用があります。代謝の上がる夏は、ポンプの役割を果たす心臓がお疲れ気味になるので、血液を補う食材をよく摂っていただきたいんです」

    画像: 源保堂鍼灸院で購入できるハーブティー。ローズレッドやハイビスカスなどが配合された「ウェルカムチェンジブレンド」900円(税別)*約20杯分。

    源保堂鍼灸院で購入できるハーブティー。ローズレッドやハイビスカスなどが配合された「ウェルカムチェンジブレンド」900円(税別)*約20杯分。

    佳子先生:「夏にはハーブティーもハイビスカスやローズなど赤いものがオススメです。写真のハーブティーは、血液の循環をよくしながら血液も補って、女性のからだのバランスを整えてくれるものです」

    大段:「ローズのお茶は、なんといっても香りがいいですよね~」

    佳子先生:「香りには、ストレス発散作用がありますしね。あと“瘀血(おけつ)”といって、血のめぐりが滞った状態を改善してくれる効果もあります」

    井尾:「血流かぁ~。わたし、こちらの診察ではいつも、“血虚”(けっきょ)体質といわれるんですよね……。血虚は、めぐりというよりも、血液そのものが足りていないってことですよね」

    大段:「わたしも血虚です〜」

    佳子先生:「おふたりとも、そうですよね…。では次回は院長先生に再びバトンを戻して、おふたりの血虚体質について、お話をしていただきましょう」

    二人:「ぜひに~~!」

    ……ということで、次回は源保堂鍼灸院の最終回。私たちふたりの体質を例に、女性におすすめの食材や漢方薬をご紹介します。

    お楽しみに!

    ※ ※ ※

    源保堂鍼灸院
    東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101
    Tel&Fax 03-3401-8125
    開院時間・曜日・料金(自由診療)↓
    https://genpoudou.com


    大段まちこ(おおだん・まちこ)
    フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。共著に『花と料理』(リトル・モア)などがある。
    http://odanmachiko.com/

    井尾淳子(いお・じゅんこ)
    フリーライター&編集。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。


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