• 二十四節気 夏至(6月21日~7月6日)
    日々の暮らしの中にある季節の移ろいを
    白井明大さんの詩・文と當麻妙さんの写真で綴ります。

    いのりのように

     

    ろうそくを ともそう

    ふっと ひといきで きえそうな

    ほのかな やわらかな あたたかな

    ちいさな ほのおを みつめれば

    ゆらめく またたく はぜる あかるむ

    いちにちの おわりが いのりのように

    やさしく こころに おりたたまれる

     

    季節の言葉:短夜(みじかよ)

    夏は日が長く、夜が短いもので、そんな夏の夜を短夜といいます。夏至は一年でもっとも夜が短い日であり、梅雨から盛夏へと暑くなっていく季節でもあります。たとえばキャンドルナイトでゆったりと炎の明かりを楽しむなど、一日の終わりが、今日の自分の心をやさしく受けとめる時間でありますように。

    六月二十六日~三十日は、七十二候*で「菖蒲華さく(あやめはなさく)」の季節です。すっとのびるあやめの花を目にすると、何か励まされる気持ちになります。雨がちな日々にも、顔を上げて。

    *七十二候……旧暦で一年を七十二もの、こまやかな季節に分けた暦。日付は2020年のものです。


    白井明大(しらい・あけひろ)
    詩人。沖縄在住。詩集に『生きようと生きるほうへ』(思潮社、丸山豊賞)ほか。近著『歌声は贈りもの こどもと歌う春夏秋冬』(福音館書店)など著書多数。新刊に、静かな旧暦ブームを呼んだ30万部のベストセラー『日本の七十二候を楽しむ ー旧暦のある暮らしー 増補新装版』(KADOKAWA)。

    當麻 妙(とうま・たえ)
    写真家。写真誌編集プロダクションを経て、2003年よりフリー。雑誌や書籍を中心に活動。現在、沖縄を拠点に風景や芸能などを撮影。共著に『旧暦と暮らす沖縄』(文・白井明大、講談社)。写真集『Tamagawa』。
    http://tomatae.com/


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