• 天然素材にこだわった、安心でおいしいパン屋さんをご紹介。東京・中目黒の「ジャンティーユ」には、気持ちを温かくするやさしい味のパンが並びます。ひそかな名物「修道院パン」とまかないについて、お話を聞きました。

    手ごねでつくる味わい深い「修道院パン」

    訪れる人みんなに満足してほしいと、多彩なパンを並べる「ジャンティーユ」。店主の坂口実さん、さおりさん夫妻のおすすめパンのひとつに「修道院パン」があります。

    レシピの元となったのは、スイスの修道院でつかわれていた古いレシピで、実さんがフランスにいた頃に購入した本にあったもの。

    もっちりした生地に仕上げるために、北海道十勝産の小麦を100%使用し、冷蔵発酵で一昼夜おいて、小麦の甘みを引き出しているのだそう。ボールを使って手ごねでつくるためできる量はわずかですが、時間をかけて丁寧につくります。

    画像: 「修道院パン」は、火・木・土曜に全粒粉入り、水・金曜にプレーンが登場

    「修道院パン」は、火・木・土曜に全粒粉入り、水・金曜にプレーンが登場

    いただいてみると、外側はバゲットのようにパリッとしていますが、中はもっちり。すっきりと素朴でいて、噛むごとに深みが増していき、後を引く味わいです。厚めに切ってバターをのせてそのままかじったり、洋風のスープやおかずの付け合わせにするのもおすすめだとか。

    画像: 穏やかなお話しぶりにお人柄がしのばれる坂口夫妻

    穏やかなお話しぶりにお人柄がしのばれる坂口夫妻

    スタッフを想う毎日のまかないから商品へ

    新作パンが頻繁に登場するのも、「ジャンティーユ」の魅力。新作はスタッフみんなで考えているそうですが、アイデアの源のひとつに、さおりさんのつくるまかないがあります。

    「スタッフたちの『お店に出しましょうよ!』という声に後押しされて、商品化することもときどきあって」とさおりさん。

    画像: お昼に食事、3時におやつと、一日に二度まかないを用意するさおりさん

    お昼に食事、3時におやつと、一日に二度まかないを用意するさおりさん

    最近では、たっぷりのフルーツとクリームチーズをのせた「フルーツピザ」が、まかないから商品へと昇格したのだとか。

    そこで、お昼のまかないを見せていただくことに。

    「今日はエビチリのタルティーヌをお店に出しているので、そのエビチリの残りと、冷蔵庫にあったシーフードミックスを加えました。チーズをのせて焼き上げ、唐辛子の千切りをトッピングしています。ほんと残りものばかりですね」

    画像: 「お客さまにきちんと味の説明ができるように」と、店のパンの具材を活用することも多い

    「お客さまにきちんと味の説明ができるように」と、店のパンの具材を活用することも多い

    そうはいっても具材たっぷりで見た目も華やか。みんなが飽きないようにと生地の種類を毎日のように変えているそうで、そんなところからも、スタッフをねぎらう気持ちがひしひしと伝わってきました。

    画像: ラスクやクッキーなどおやつアイテムも充実

    ラスクやクッキーなどおやつアイテムも充実

    画像: ライ麦の生地に大粒のマロングラッセとチョコレート、クルミが入った「マロンショコラ」は、大人気の品

    ライ麦の生地に大粒のマロングラッセとチョコレート、クルミが入った「マロンショコラ」は、大人気の品

    画像: オーガニックの紅茶やジャムも取り扱う

    オーガニックの紅茶やジャムも取り扱う

    ときには昔買った本のレシピから、ときにはまかないから、ときにはみんなで知恵を出し合って、「ジャンティーユ」の新しいパンはつくられています。

    「新しい素材がどんどん出てくるので、そういうものもできるだけ取り入れたい」と話す実さん。これからも新作に目が離せそうにありません。

    <撮影/山田耕司 取材・文/諸根文奈>

    画像: スタッフを想う毎日のまかないから商品へ

    gentille(ジャンティーユ)
    03-3712-9610
    8:30~19:00(カフェ12:00~14:00 ※現在、カフェの利用は一時休止中)
    日・祝日休み
    東京都目黒区目黒3-1-1
    最寄り駅:JR「目黒」、東急東横線・東京メトロ「中目黒」
    http://www.gentille.ne.jp/


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