(『天然生活』2016年7月号掲載)
扉野家の片づけ3カ条
一 その日の洗い物は残さず片づける
二 見える場所には好きな器や色合いのものを置く
三 動線を考えて収納する
和室
小さい家具を並べて片づけやすい動線に
1 風情ある踏み台にはおもちゃを収納
古道具店で潤さんが手に入れたという、収納スペースを備えた踏み台。なかには、子どもたちのお気に入りの小さなおもちゃや人形が。持ち運べるので、片づけも簡単にできるそう
2 シンプルな家具ほど長年のお供に
潤さんが使ってきた手塗りの棚ふたつも新居へ。元は電話台だったという白い棚は、プラスチックから付け替えたワイヤーの取っ手がアクセントに。紙類や文房具など、こまごましたものはここへ
3 子ども服の収納は小さく折りたたんで
海外のアンティークで、以前から扉野さんが使っていた洋服だんす。引き出しには、家族全員の着替えが入っている。子ども服は、取り出しやすいように、小さく折りたたんで収納
4 愛猫3匹のための手づくりの2段トイレ
狭い空間に猫3匹。トイレが汚れると猫もストレスなので、買い足して、ふたつに。「場所もとるし存在感もあるので、すっきり見せたいと、2段の棚をつくって収めることに」
◇ ◇ ◇
新しいものを購入するのではなく、手持ちの家具を生かし、足りないところは自分たちで使いやすいように付け足していく。これが扉野さんと潤さんのスタイルです。
物を収める場所は、生活に照らし合わせてみることで自然に決まってくる、という潤さん。同時に、「見た目もとても大事にしている」と、教えてくれました。
「たとえば、棚の上の並び順や色の組み合わせに自分だけの小さなこだわりがあって。結局、家事は毎日のことなので、自分が面白がらないともったいないと思います」
家事のささやかな喜びは、毎日を楽しくする一番の近道。その小さな繰り返しこそ、自分らしい暮らしを紡ぐこと、そのものなのかもしれません。
すき間を見つけて生かす、棚使い
階段の上がり口には柵代わりのラックが
洗面スペースの端に設けた漆喰仕上げの棚も、手づくり。上にはタオルが入ったホウロウケースを置いている。階段横の添え木にもフックを付けて、貴重な収納コーナーに。
洗面アイテムはスライドミラーの奥に
洗面所に取り付けたのは、鏡がスライドするタイプの小棚。歯ブラシやひげ剃り、ヘアブラシなど、あまり目に触れたくないものは、ここにまとめて収納しているそう。
デッドスペースも棚を付けて活用
焼き網やすりこ木、夏場のピッチャーなど、ときどき登場の料理道具や、季節のキッチンアイテムは、かごに入れて冷蔵庫の上へ。棚には、掃除道具などを箱に入れて収納。
アンティーク風で機能的な、ごみ箱
シンク下には、建材を再利用したキャスター付きのごみ箱が。分別用の箱がふたつすっぽり収まり、ごみ袋をストックしておくための小さなすき間も確保。設計は潤さん。
片づけの時間割
5:00
起床
前日、洗ってかごに伏せておいた食器を、ふく(5分)
ブログの更新、朝食の準備
6:00
表やお寺の掃き掃除(10分)
7:00
子どもと朝食
8:00
長男が小学校へ登校
朝食の片づけ、夕食準備(15分)
9:00
次男を保育園へ送っていく
9:30
部屋の片づけと掃除(10分)
10:30
出勤
17:00
次男のお迎え
17:30
郵便物や配布物の仕分け(5分)
18:30
夕食
19:30
夕食の片づけ(15分)
22:00
就寝
扉野家の間取り
<撮影/竹田俊吾 取材・文/山形恭子 イラスト/須山奈津希>
右)扉野良人(とびらの・よしひと)
僧侶・文筆家。プライベートプレス「りいぶる・とふん」を主宰。著書に『ボマルツォのどんぐり』(晶文社)
左)鈴木 潤(すずき・じゅん)
子どもの本専門店「メリーゴーランド京都」店長、2児の母。さまざまな媒体で、絵本や子育て本の紹介も。
https://www.mgr-kyoto2007.com/