(『天然生活』2016年7月号掲載)
扉野家の片づけ3カ条
一 その日の洗い物は残さず片づける
二 見える場所には好きな器や色合いのものを置く
三 動線を考えて収納する
キッチンは手づくりの収納スペースで
この春、引っ越したばかりの扉野さん一家。扉野さんの実家のお寺の一画にあるその家は、以前は古い木造2階の建物でした。
昔の間取りを生かしつつ、改装を始めて1年半。生活空間を上階にまとめた新居には、太い梁や、昔の釜炊きの煤跡がついた土壁、新たに左官が仕上げた白壁が調和した、明るい空間が完成しました。
「キッチンを一番考えた」という潤さんですが、収納については、「使い勝手が優先なので、住みながら整えていった」そう。
よくよく聞けば、レンジ横の調味料ラックも、キッチン上の吊り棚も、手づくり。潤さんが用途や希望を細かく伝え、扉野さんが製作した、オリジナルの収納コーナーが幾つもあるというのです。
「フライパンの厚みまで測って、シンクの下に棚を付けてもらったり、どんどんオーダーしましたね」と、うれしそうな潤さん。
お父さまの大工道具を引っ張り出して奮闘した扉野さんは、「けっこうシビアな注文がきましたよ(笑)」と、お手製のラックを見つめつつ、「でも意外と、うまくいった」と、こちらも満足な様子です。
キッチン
吊り棚やシンク下、コンロの脇にぴっちり収納
1 毎日、使うものは出し入れしやすい棚に
引っ越し後にキッチンの窓上に取り付けた木の吊り棚には、毎日、使う道具や器を収納。コーヒーを淹れるサーバー、お茶を淹れるポット、ごはんを炊く鍋、取り皿など、愛用の道具が並ぶ
2 鍋ぶたやキッチンツールは便利なポール収納に
アルミ棒の両端をプレスしてキッチン横のタイルに取り付けた、2本のポールラック。「プロの方に頼むと高価になるので、それならば手づくりしよう、って(笑)」と潤さん
3 すき間サイズでつくった可動式スリムラック
レンジ横のすき間にぴったり収まる、合板と真鍮の棒で仕上げたスリムラック。調味料や保存瓶の高さに合わせて棚をつくった。「キャスターには引き戸に使う戸車を利用しました」(扉野)
4 調理道具が収まるジャストな収納棚
「大工さんに、土台だけでいいです」と頼んだシンク下の収納スペース。棚は、引っ越し後に扉野さんが製作。手持ちの鍋やフライパンのサイズを測ったうえで、棚の高さを決めていったそう
片づけの時間割
5:00
起床
前日、洗ってかごに伏せておいた食器を、ふく(5分)
ブログの更新、朝食の準備
6:00
表やお寺の掃き掃除(10分)
7:00
子どもと朝食
8:00
長男が小学校へ登校
朝食の片づけ、夕食準備(15分)
9:00
次男を保育園へ送っていく
9:30
部屋の片づけと掃除(10分)
10:30
出勤
17:00
次男のお迎え
17:30
郵便物や配布物の仕分け(5分)
18:30
夕食
19:30
夕食の片づけ(15分)
22:00
就寝
扉野家の間取り
<撮影/竹田俊吾 取材・文/山形恭子 イラスト/須山奈津希>
右)扉野良人(とびらの・よしひと)
僧侶・文筆家。プライベートプレス「りいぶる・とふん」を主宰。著書に『ボマルツォのどんぐり』(晶文社)
左)鈴木 潤(すずき・じゅん)
子どもの本専門店「メリーゴーランド京都」店長、2児の母。さまざまな媒体で、絵本や子育て本の紹介も。
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