(『天然生活』2016年9月号掲載)
Tray
波線のトレイ
ハガキサイズ、名刺サイズの2種類の大きさの四角いトレイ。
格子状に編むワイヤーを波線にすることで、直線のままよりも強度が増すうえ、縦と横に渡したワイヤー同士がひっかかり合って、安定しやすくなります。少しくらい曲がっても、微調整が利くのもいいところ。
素材がアルミだから、水に濡れても大丈夫。スポンジ置きなど水まわりに使っても。
作品サイズ
大:幅16.5×奥行き12×高さ3cm
小:幅12×奥行き9.5×高さ3cm
How to make
波線のトレイ
※写真は、大サイズで説明。写真の( )内の数字は小サイズ。
※印は説明上、はっきりつけていますが、消せるよう、小さい印で問題ありません。
材料
アルミワイヤー
〈大〉太さ3.0mmを1.3m/太さ1.2mmを4m
〈小〉太さ3.0mmを1m/太さ1.2mmを3m
道具
つくり方
[枠をつくる]
1 太さ3.0mmのワイヤーの巻きを水平に戻すように、必要な分だけをまっすぐに伸ばす。写真に表示した長さを測り、印をつける。
2 下の[角の曲げ方]を参考にし、ふたつ目の印で直角に曲げる。写真に表示した長さを測り、印をつける。
[角の曲げ方]
1 ワイヤーの曲げ位置に印をつける。印から2mmほどずらした位置を、ラジオペンチでしっかりと挟む。
2 ワイヤーの印の位置を、親指の腹でペンチに押しつけるようにして曲げると、角の中心に印がくる。
3 同様にして、口枠になる部分を曲げていく。4カ所目は垂直方向に直角に曲げ、角から2cmに印をつける。
4 写真を参考にしながら、底枠になる部分を曲げていく。最後は、接続のために1.5cm残し、切る。
5 ワイヤーの端をU字に曲げて、柱の角にひっかけ、固定する(下の[U字の曲げ方]参照)。
[U字の曲げ方]
ワイヤーの先端2~3mmの位置をラジオペンチで挟み、手首を返し、ペンチの先端に巻きつけるようにして曲げる。手を返して曲げる際、左手でワイヤーを引っ張るようにするとよい。
U字の大きさ(目安)
U字が大きすぎると、柱の取り付けの際、すき間ができてしまい固定されないので、これに合わせて微調整を。
[柱でつなぐ]
6 太さ3.0mmのワイヤーを、5cmに3本カットする。片側の先端をU字に曲げる(上の[U字の曲げ方]参照)。
7 下の[柱の取り付け]を参考に、5の柱と対角の位置の柱から取り付けていく。柱が動く場合はペンチでしっかり押さえる。柱を斜めにし、口枠と底枠の中心を合わせる。
[柱の取り付け]
1 先端をU字に曲げたワイヤーを取り付け位置にひっかけ、下から接点を指でしっかり押さえながら、写真のようにラジオペンチで挟む。
2 切り口がワイヤーの側面に付くまでしっかり、すき間なく締めつける。
3 口枠側も同様に、先端をU字に曲げて取り付け位置にひっかけ、ラジオペンチで締めつける。
柱はカットした長さで高さが決まる
高さが変わらないように同じ条件で取り付けるよう注意。心配なときは、まず、ひとつ付けてみて高さを確認。低い場合は、低くなった長さをあらかじめ長くとって、切る。
[波線をつくる]
8 太さ1.2mmのワイヤーを40cm×5本と35cm×7本(35cm×5本と30cm×7本)カットする。
9 尖端を切った竹ぐしに8のワイヤーの先から2cmの位置を当て、指で押さえて、竹ぐしを回転させながら、残り2cmまで螺旋状に巻き、竹ぐしを抜く(力を入れすぎると竹ぐしが抜けなくなるので注意)。
10 9の両端の輪の部分に指をかけるようにして、左右均等に引っ張る。ある程度引っ張ったら、ワイヤーをしごくようにして伸ばしていく。
11 長いほう32cmまで5本、短いほう28cmまで7本(長いほう28cmまで5本、短いほう24cmまで7本)伸ばす。このとき、寸法内に両端の2cmは含めない。
[長い波線をつける]
12 底枠を上にして置き、短辺の真ん中に、長い波線の先から8cmの位置を底枠に当てて一周、巻きつける。
13 口枠側が上になるよう、枠を持ち替え、口枠に波線を矢印のように両側に巻きつけて固定する。
14 巻きつけたら、5mm残して余分な波線をカットする。
15 14の5mm分を内側に折り込み、ペンチで押さえる。
16 枠の右側に、残り4本も、等間隔に付ける(12~15参照)。巻きつける際、引っ張りすぎて口枠が下がらないよう注意。左端は取り付けずに残しておく。
[短い波線をつける]
17 間隔を整え、口枠に波線を付けたところをテープで仮留めする。12~15と同様に、短い波線の片側を底枠と口枠に固定し、長い波線の上下を交互に通して編んでいく。
18 17のワイヤーのもう片側を、12~15を参考に、固定する。同様に等間隔に7本、取り付ける。
19 16で残しておいた長辺のもう一方も、底枠と口枠に固定する(12~15参照)。編み目、形を整え、マスキングテープを外す。
でき上がり。
〈作品デザイン・制作・プロセス/森永よし子 撮影/滝沢育絵(作品)、村尾香織(つくり方) スタイリング/大谷優依 イラスト/たまスタヂオ〉
森永よし子(もりなが・よしこ)
OJIKO WIRE WORKSの屋号で様々なワイヤー雑貨を制作。実用的でシンプルな作風には定評があり、ハンガーやフックなどロングセラーとなるものも多い。ワイヤーワークの著書多数。茅ヶ崎のアトリエショップSEEP STOREで店番をしながら自身のワイヤー雑貨も販売している。
https://www.instagram.com/simiphoto/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです