(『天然生活』2016年9月号掲載)
Tray
波線のトレイ
ハガキサイズ、名刺サイズの2種類の大きさの四角いトレイ。
格子状に編むワイヤーを波線にすることで、直線のままよりも強度が増すうえ、縦と横に渡したワイヤー同士がひっかかり合って、安定しやすくなります。少しくらい曲がっても、微調整が利くのもいいところ。
素材がアルミだから、水に濡れても大丈夫。スポンジ置きなど水まわりに使っても。
![画像: Tray 波線のトレイ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/adb2c419f6cd70d63077b47dca988bc789cbf704.jpg)
作品サイズ
大:幅16.5×奥行き12×高さ3cm
小:幅12×奥行き9.5×高さ3cm
How to make
波線のトレイ
※写真は、大サイズで説明。写真の( )内の数字は小サイズ。
※印は説明上、はっきりつけていますが、消せるよう、小さい印で問題ありません。
材料
![画像: 材料](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/4ef0922ec7fef62d852066c51bda18106bf5ceb3.jpg)
アルミワイヤー
〈大〉太さ3.0mmを1.3m/太さ1.2mmを4m
〈小〉太さ3.0mmを1m/太さ1.2mmを3m
道具
![画像: A マスキングテープ、B メジャー、C ペン、D 竹ぐし、E ニッパー、F ラジオペンチ、G 軍手(滑り止め付きの薄手のもの)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/e9679fd06b085f043dd152b35d1c4cf11dbadd91.jpg)
A マスキングテープ、B メジャー、C ペン、D 竹ぐし、E ニッパー、F ラジオペンチ、G 軍手(滑り止め付きの薄手のもの)
つくり方
[枠をつくる]
1 太さ3.0mmのワイヤーの巻きを水平に戻すように、必要な分だけをまっすぐに伸ばす。写真に表示した長さを測り、印をつける。
![画像1: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/1fff5390f139f3cbd9c2ae7717874631bbff2e71.jpg)
2 下の[角の曲げ方]を参考にし、ふたつ目の印で直角に曲げる。写真に表示した長さを測り、印をつける。
![画像2: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/7d59f1b32c1e65104af6fe448ffd69eb44072ea7.jpg)
[角の曲げ方]
1 ワイヤーの曲げ位置に印をつける。印から2mmほどずらした位置を、ラジオペンチでしっかりと挟む。
![画像3: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/7a63765c7e5cace767773a022b99881b76401293.jpg)
2 ワイヤーの印の位置を、親指の腹でペンチに押しつけるようにして曲げると、角の中心に印がくる。
![画像4: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/1945b6ac018b46c3456d2a7cbf8a7cecf6f9b561.jpg)
3 同様にして、口枠になる部分を曲げていく。4カ所目は垂直方向に直角に曲げ、角から2cmに印をつける。
![画像5: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/1b7d50dc594d47ab95822224b28c0228fbd4cec1.jpg)
4 写真を参考にしながら、底枠になる部分を曲げていく。最後は、接続のために1.5cm残し、切る。
![画像6: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/77dd034723e511b48c3171e3501b8852053e11e5.jpg)
5 ワイヤーの端をU字に曲げて、柱の角にひっかけ、固定する(下の[U字の曲げ方]参照)。
![画像7: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/36ebc1b05d9bf84b9dac88c685f71eb145f5c729.jpg)
![画像: 柱の固定は、段差ができないよう、写真のように角度をつけて、取り付ける](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/49aaf3cbb1a7c71180b60adbadfd40d6d9a21ac0.jpg)
柱の固定は、段差ができないよう、写真のように角度をつけて、取り付ける
[U字の曲げ方]
ワイヤーの先端2~3mmの位置をラジオペンチで挟み、手首を返し、ペンチの先端に巻きつけるようにして曲げる。手を返して曲げる際、左手でワイヤーを引っ張るようにするとよい。
![画像8: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/632f8482022c0e561c966f89943108b8f70aaa3e.jpg)
U字の大きさ(目安)
![画像9: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/ba6dd344637aa9503c32de6cb359d6f770d293fb.jpg)
U字が大きすぎると、柱の取り付けの際、すき間ができてしまい固定されないので、これに合わせて微調整を。
[柱でつなぐ]
6 太さ3.0mmのワイヤーを、5cmに3本カットする。片側の先端をU字に曲げる(上の[U字の曲げ方]参照)。
![画像10: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/dbb649a63624d2aeadc7c84bbbc8ea243eec6a07.jpg)
7 下の[柱の取り付け]を参考に、5の柱と対角の位置の柱から取り付けていく。柱が動く場合はペンチでしっかり押さえる。柱を斜めにし、口枠と底枠の中心を合わせる。
![画像11: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/033a61119a45ed25ac92814e5339d670e19703d4.jpg)
[柱の取り付け]
1 先端をU字に曲げたワイヤーを取り付け位置にひっかけ、下から接点を指でしっかり押さえながら、写真のようにラジオペンチで挟む。
![画像12: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/e2e69eb5b19fbc6a265fd087cb2f34417f86bc53.jpg)
2 切り口がワイヤーの側面に付くまでしっかり、すき間なく締めつける。
![画像13: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/e75d0edf1fa4d7b5cdbc53fb3f0dd9ef7d98c2fe.jpg)
3 口枠側も同様に、先端をU字に曲げて取り付け位置にひっかけ、ラジオペンチで締めつける。
![画像14: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/a4ac4715dafbed09c5fff58893b4680bf8e214f3.jpg)
柱はカットした長さで高さが決まる
高さが変わらないように同じ条件で取り付けるよう注意。心配なときは、まず、ひとつ付けてみて高さを確認。低い場合は、低くなった長さをあらかじめ長くとって、切る。
[波線をつくる]
8 太さ1.2mmのワイヤーを40cm×5本と35cm×7本(35cm×5本と30cm×7本)カットする。
![画像15: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/55d9cf40e70ff179418e95fea609ded8e403e132.jpg)
9 尖端を切った竹ぐしに8のワイヤーの先から2cmの位置を当て、指で押さえて、竹ぐしを回転させながら、残り2cmまで螺旋状に巻き、竹ぐしを抜く(力を入れすぎると竹ぐしが抜けなくなるので注意)。
![画像16: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/c8da2beae7c3a1f6fa4f70c0eaedf6bbbd11d9ec.jpg)
10 9の両端の輪の部分に指をかけるようにして、左右均等に引っ張る。ある程度引っ張ったら、ワイヤーをしごくようにして伸ばしていく。
![画像17: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/5142180c5662f98ec901c246790f060ec679aa3f.jpg)
11 長いほう32cmまで5本、短いほう28cmまで7本(長いほう28cmまで5本、短いほう24cmまで7本)伸ばす。このとき、寸法内に両端の2cmは含めない。
![画像18: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/f587cfae480f735ca670d9b60c54bc91cd764749.jpg)
[長い波線をつける]
12 底枠を上にして置き、短辺の真ん中に、長い波線の先から8cmの位置を底枠に当てて一周、巻きつける。
![画像19: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/e8b05320e23aafc7d6c6c913cd493a6cb8808613.jpg)
![画像: このとき、波線を伸ばさないように力を加減し、枠にはすき間なくきっちり巻く。波線のカーブが底枠のワイヤーの径に沿うと、うまく巻ける](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/95c43bb8fc390e08d413f72420f5db67cdae34ee.jpg)
このとき、波線を伸ばさないように力を加減し、枠にはすき間なくきっちり巻く。波線のカーブが底枠のワイヤーの径に沿うと、うまく巻ける
13 口枠側が上になるよう、枠を持ち替え、口枠に波線を矢印のように両側に巻きつけて固定する。
![画像20: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/55999cea512ec8c8339ad288495803e0085eb5b5.jpg)
14 巻きつけたら、5mm残して余分な波線をカットする。
![画像21: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/019f247ecfe5689f043e0cf127a0c9702252dac2.jpg)
15 14の5mm分を内側に折り込み、ペンチで押さえる。
![画像22: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/f3939043f9022d06a7ecf9a595d2da7011914fdf.jpg)
16 枠の右側に、残り4本も、等間隔に付ける(12~15参照)。巻きつける際、引っ張りすぎて口枠が下がらないよう注意。左端は取り付けずに残しておく。
![画像23: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/ca9e2828f1947fe1980b7658389e50f7614b18bf.jpg)
[短い波線をつける]
17 間隔を整え、口枠に波線を付けたところをテープで仮留めする。12~15と同様に、短い波線の片側を底枠と口枠に固定し、長い波線の上下を交互に通して編んでいく。
![画像24: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/7f0a80fcedb81356baf60cc63833bf79c98f25c9.jpg)
18 17のワイヤーのもう片側を、12~15を参考に、固定する。同様に等間隔に7本、取り付ける。
![画像25: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/10bb2e31d30a314babd11adbf9c9bfc07bff00bd.jpg)
19 16で残しておいた長辺のもう一方も、底枠と口枠に固定する(12~15参照)。編み目、形を整え、マスキングテープを外す。
![画像26: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/22484f519d98475531c364099b00b1fc9460e078.jpg)
でき上がり。
![画像27: つくり方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783328/rc/2020/08/02/112fbbab5dc37425282ad42f9b67f82cc07b6eb6.jpg)
〈作品デザイン・制作・プロセス/森永よし子 撮影/滝沢育絵(作品)、村尾香織(つくり方) スタイリング/大谷優依 イラスト/たまスタヂオ〉
森永よし子(もりなが・よしこ)
OJIKO WIRE WORKSの屋号で様々なワイヤー雑貨を制作。実用的でシンプルな作風には定評があり、ハンガーやフックなどロングセラーとなるものも多い。ワイヤーワークの著書多数。茅ヶ崎のアトリエショップSEEP STOREで店番をしながら自身のワイヤー雑貨も販売している。
https://www.instagram.com/simiphoto/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです